メモリ高騰がスマホ業界を直撃 新機種中止やスペック抑制が相次ぐ

メモリ半導体の品薄と価格高騰が昨年から続き、2026年も収束の兆しが見えない。PCやスマートフォンなどIT機器全般で、その影響が現実のものとなりつつある。
IT業界によると、中国スマートフォンメーカーのMeizuは、今月発売予定だった新機種「Meizu 22 Air」の投入を急きょ取りやめた。iPhone Airに似たデザインの超薄型モデルで、Meizu 22シリーズのラインアップに加わる予定だったが、中国メディアは、MeizuグループのCMOを務めるワン氏が撤回の理由としてメモリ価格の急騰を挙げたと伝えている。ワン氏は、第4四半期以降のメモリ価格の急上昇が生産コストを押し上げただけでなく、事業計画そのものに大きな打撃を与えたとの認識を示した。
こうした危機感は、中低価格モデルを主力とする中国メーカーを中心に昨年末から強まってきた。realme(リアルミー)のマーケティング責任者フランシス・ウォン氏は、2025年第3四半期の業績発表直後、低価格スマホの時代が終わりつつあるとしたうえで、メモリや部品不足を背景に2026年は業界全体で前例のない値上げが起こり得るとの見通しを示していた。
市場調査会社カウンターポイント・リサーチは、メモリ不足がスマートフォンの部材コスト(BoM=部材表)の急騰を主導していると分析する。特に200ドル(約3万1,700円)未満の低価格帯が大きな打撃を受ける見通しで、需要減を通じて2026年のスマートフォン出荷台数そのものが減少する可能性も指摘した。
メモリの需給不安は、市場の二極化にもつながっている。普及機ではコストを抑えるための苦肉の策として、仕様を落とす「スペック・ダウングレード」が現実味を帯びてきた。業界内では、普及機のRAM容量を4GBへ縮小する案も取り沙汰されている。近年は普及機でも6GB以上へ拡大する流れが続いていたが、原価を合わせるために過去の水準へ戻るという逆転現象が起きている。
一方、性能面での妥協が難しいプレミアム機では、目立った打開策が見当たらず、値上げ以外の選択肢が限られる状況にある。来月の「Galaxy S26(ギャラクシーS26)」シリーズ発表を控えるサムスン電子が、その代表例といえる。
サムスン電子は、オンデバイスAIの強化に向けて大容量メモリと最新のアプリケーションプロセッサ(AP)を搭載する方針だ。主要部品であるメモリとAPの価格がそろって上昇し、部材コストの増加幅が企業の許容範囲を超えつつあるとの見方が広がっている。
サムスン電子MX事業部長(社長)のノ・テムン氏も、米ラスベガスで開かれた「CES 2026」の記者懇談会でコスト面の厳しさに触れた。新製品発表を約1か月後に控えた段階で、モバイル事業トップが「原価圧迫」に言及したことから、市場では価格引き上げをにおわせる発言との受け止めも出ている。ノ氏は、チップ価格の高騰で価格調整を迫られているとしたうえで、前例のないほど厳しい環境だとして、値上げは避けにくいとの見通しを示した。














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