トランプ大統領、グリーンランド巡り軍事投入を排除せずEU保有の米国資産は10兆ドル規模…売却なら中間選挙に打撃
EU保有の米国資産は10兆ドル規模…売却なら中間選挙に打撃

デンマーク自治領グリーンランドをめぐる米国と欧州の対立が日を追うごとに激しさを増している。ドナルド・トランプ米大統領は欧州に対する関税計画について「100%実行する」と明言し、武力行使の可能性についても否定しなかった。欧州連合(EU)が「貿易バズーカ」と呼ばれる通商威圧対抗措置(ACI)などを検討する中、市場では米国の「アキレス腱」とされる米国債や米株式を売却する可能性も取り沙汰されている。
欧州、米国債40%保有…トランプ大統領の「弱点」突く可能性

トランプ大統領は19日(現地時間)、米NBCのインタビューで、グリーンランド取得に関する合意が得られない場合、一部の欧州諸国に関税を課す計画について「100%実行する」と述べた。また「グリーンランド確保のために武力を行使するのか」との質問には「コメントしない」と回答した。フィナンシャル・タイムズ(FT)はこれを「武力行使を排除しなかった」と評価している。
トランプ大統領は最近、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランドの8カ国がグリーンランドに兵力を派遣したことを理由に、来月1日から10%、6月1日からは合計25%の追加関税を課すと予告していた。
ブルームバーグ通信は「欧州がトランプ大統領の威圧に対する対応策を模索する中、投資家の間で一つの極端な選択肢が注目されている」とし、欧州による米国債や米株式の売却可能性に言及した。米財務省によると、昨年11月時点で外国人が保有する米国債のうち約40%を欧州勢が占め、その規模は3兆6,350億ドル(約574兆4,611億9,792万7,775円)に達するという。さらに、EUが保有する米国資産は10兆ドル(約1,580兆3,609億2,965万円)を超えるとブルームバーグは指摘している。
米国債市場や株式市場はトランプ大統領にとって「アキレス腱」とも言える弱点とされる。米国では退職年金口座に占める金融資産の比率が高く、市場が急落すれば世論の反発が強まり、11月の中間選挙を控えるトランプ大統領にとって大きな打撃となる可能性がある。
実際、トランプ大統領は昨年4月2日、いわゆる「解放の日」に世界各国を対象とした相互関税計画を発表したものの、米国債利回りが急騰したことを受け、関税発動を90日間猶予した経緯がある。ただし、この過程で欧州投資家も損失を被る可能性があり、また資産の多くは政府ではなく未公開株投資ファンドが保有しているため、トランプ大統領への対抗策として一斉に動くのは難しいとの見方も強い。
こうした中、米国とEUが本格的な貿易戦争に突入した場合、世界の経済成長率がパンデミック期を除けば、金融危機以降で最も低い水準に落ち込む可能性があるとの分析も出ている。
英オックスフォード・エコノミクスは、米国が欧州に25%の追加関税を課し、EUが報復措置を取った場合、米国の国内総生産(GDP)は最大1%減少し、ユーロ圏も同程度の打撃を受けるものの、影響はより長期化すると分析した。また、世界経済の成長率も今年と来年ともに2.6%に鈍化し、パンデミック期を除けば2009年以来の低水準になると予測している。
21日のダボス会議が分岐点…市場は緊張

米EU対立の行方を占う節目として注目されているのが、トランプ大統領が21日から22日に訪問予定のスイス・ダボス会議だ。市場ではトランプ大統領が「TACO(トランプはいつも腰砕け)」を再び繰り返すとの見方もあるが、市場動向は不安定さを示している。
19日はキング牧師記念日で米国市場が休場だった一方、欧州ではドイツDAX指数が1.33%、フランスCAC40が1.78%、主要優良株で構成されるユーロストックス50が1.72%下落した。安全資産とされる金価格は1.7%上昇し、1オンス当たり4,670ドル(約73万8,256円)と再び過去最高値を更新した。
また、早ければ20日にも米連邦最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税やフェンタニル関税の適法性について判断を示す見通しだ。違法との判断が下されれば、トランプ大統領の関税威圧は急速に勢いを失う可能性がある。一方、合法と判断された場合、トランプ大統領がEUへの圧力を一段と強めるとの見方も出ている。
















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