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「代替供給源なし」輸出95%急減、価格69倍…レアアース遮断が直撃する半導体産業

望月博樹 アクセス  

引用:depositphotos
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米国の航空宇宙および半導体産業が、重要なレアアースの不足によって圧迫を受けている。米中間で貿易摩擦緩和の雰囲気が漂うなかでも、イットリウムやスカンジウムなどの戦略鉱物の対米輸出が事実上制限され、供給不安が長期化する様相を呈している。

25日(現地時間)、ロイター通信によると、北米の一部コーティング企業は原材料不足により受注を断ったり、生産を一時停止したりしているという。

イットリウムは高温環境下でジェットエンジンやタービンを保護する特殊コーティングの必須素材だ。定期的にコーティングを施さなければ、エンジンの稼働が困難になるとされる。

供給難の背景には、中国の輸出規制がある。中国税関の資料によれば、規制導入前の8か月間に333トンだったイットリウムの対米輸出量は、導入後8か月間で17トンへと約95%急減したとのことだ。事実上、米国向けの輸出経路が閉ざされた形だ。

これに伴い価格も急騰している。ロイターが昨年11月に関連する供給難を初めて報じて以降、イットリウム価格は約60%上昇し、現在は1年前の約69倍という水準に達している。

需給の不均衡が深刻化するなか、一部のコーティングメーカーは材料の「割当制」を導入した。ある企業は大手エンジンメーカー向けの供給を優先するため、小規模顧客や海外顧客の注文を断っており、生産ラインを停止した事例も報告されている。

航空宇宙供給網専門家のケビン・マイケルズ氏は「現時点でエンジン生産に直接的な支障は出ていないが、業界は状況を注視している」と述べた。

半導体業界でもスカンジウム不足への警戒が強まっている。スカンジウムは燃料電池や航空宇宙向け特殊合金のほか、先端半導体の製造工程やパッケージングに用いられる戦略物資だ。世界の年間生産量は数十トンにとどまり、希少性が高い。

SemiAnalysisのディラン・パテルCEOは「米国の主要半導体企業は、事実上すべての5Gスマートフォンや基地局向けチップ部品の生産にスカンジウムを使用している」と指摘し「供給の支障が続けば、次世代5G産業全体が縮小する可能性がある」と警告した。さらに「米国の備蓄量は数年分ではなく、数か月分にとどまる可能性が高い」と付け加えた。

ロイターは、米国では現在スカンジウムを国内生産しておらず、中国以外に稼働中の代替供給源も存在しないと伝えている。

業界では、中国が輸出許可申請時に最終使用者の明示を求めていることが、事実上、米国の半導体産業に対する圧力になっているとの見方が支配的だ。

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