中国最大の年次政治行事である両会(全国人民代表大会)が1週間後に迫っている。中国の経済政策の方向性や中長期的な発展戦略、米国との関税戦争に関するメッセージに注目が集まる中、今回発表される第15次五カ年計画も大きな関心を呼んでいる。

両会は来月4日、中国人民政治協商会議(政協)の開幕を皮切りに始まる。続いて5日には全国人民代表大会(全人代)が開催され、李克強国務院総理が政府業務報告を行う予定だ。
今年の両会では、2026~2030年に適用される第15次五カ年計画が正式に決定される見通しだ。中国当局は、景気減速や内需の低迷、不動産市場の停滞、若年層の失業率上昇などの構造的課題が積み重なる中、科学技術の自立、先端製造業の育成、サプライチェーンの安定を重点課題として掲げ、打開策を模索することになるだろう。

全人代の開幕式で李総理が発表する政府業務報告は、両会で最も注目される部分だ。業務報告には成長率目標、財政赤字率、財政政策、消費・不動産対策、国防費の規模などが盛り込まれる。中国はここ3年、連続して「5%前後」の成長率目標を掲げ、いずれも達成してきた。実際の成長率は2023年が5.2%、2024年が5.0%、2025年も5.0%だった。しかし、昨年第3四半期以降は減速傾向が鮮明になり、米国からの関税圧力や技術規制、不動産市場の低迷、若年層の失業問題などが重なり、今年の状況は一段と厳しいとみられている。
実際、31の地方政府のうち20以上が今年の成長目標を下方修正するか、下限を引き下げている。特に、中国経済を牽引してきた上位10の経済規模の地方政府のうち、8つが昨年より目標を引き下げた。それでも、2035年までにGDPを2019年の2倍に拡大する長期目標や、第15次五カ年計画の出発点としての象徴性を考慮すれば、5%を維持する可能性もある。香港のサウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)は先月、関係者の話を引用し、中国当局は今年のGDP成長率目標を「4.5~5%」に設定する見通しだと報じた。国際通貨基金(IMF)など主要機関も、成長率を4.5~5%と予測している。
国防費も注目のポイントだ。中国は2022年に国防費を7.1%増額した後、2023年から3年連続で7.2%の増加率を維持している。軍の近代化方針や対外環境を踏まえると、今年も同程度の水準が維持されるとの見方が優勢だ。
今年初めに「深刻な規律・法律違反」の疑いで粛清された共産党中央軍事委員会の張又俠副主席とリュウ・シンリツ委員の後処理も、今回の両会で進められる見込みだ。全人代常務委員会は両会直前の今月25~26日に会議を開き、個別代表の資格に関する任免案を審議する予定で、この会議で両者の全人代代表資格剥奪などの去就問題が議論される可能性が高い。
習近平国家主席の4期目就任の可否が決まる第21回中国共産党全国代表大会まで1年余りとなる中、軍首脳への司法処理は、習近平国家主席を頂点とする一人体制をさらに強化する動きとみられる。
また、3月31日~4月2日に予定されるドナルド・トランプ米大統領の訪中を前に、中国がどのような対外メッセージを発信するかも注目される。最近、米連邦最高裁の相互関税違法判決でトランプ大統領の関税政策が打撃を受けたうえ、高市早苗総理の「台湾有事に介入する」との発言で日中間の緊張が高まる中、中国の外交方針に変化があるかどうかが焦点となる。
台湾問題については、台湾独立や外部干渉への反対という従来の立場を維持しつつ、より明確な姿勢を打ち出すと見られる。
















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