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「アメリカ離れが止まらない」──48%増の放棄申請が示すアメリカの”地殻変動”

荒巻俊 アクセス  

引用:depositphotos
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「移民の国」とされる米国で、昨年、世界恐慌以降で初めて人口が純流出した可能性があるとの分析が出た。

25日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ヨーロッパなど15か国の公式統計を分析した結果、昨年少なくとも18万人の米国人がこれらの国々へ移住したと報じた。米国政府は、ドワイト・D・アイゼンハワー政権(1953~1961年)以降、海外に流出した自国民の総数を別途集計していない。

WSJの分析によると、欧州連合(EU)加盟27か国のうち多くの国で、居住や就労を目的とした米国人の入国者数が過去最多を記録した。

ポルトガル政府の資料によると、昨年ポルトガルに居住する米国人は約2万6,000人となり、2020年と比べて約450%増加した。スペインとオランダでも、この10年間で米国人居住者数はほぼ倍増し、チェコでは2倍以上に増えた。ドイツでは、昨年ドイツに移住した米国人の数が、米国へ渡ったドイツ人の数を上回った。アイルランドでは、昨年移住した米国人は9,600人となり、前年(4,900人)からほぼ倍増した。

米国のシンクタンクであるブルッキングス研究所の分析によると、昨年の米国の純移民数はマイナス15万人となり、純流出に転じた。今年は純流出がさらに拡大する見通しだ。

現在、米国政府には、外国籍の取得や海外所得課税の回避などを理由に市民権放棄を申請した事例が、数か月分滞っているという。2024年の市民権放棄申請は前年に比べ48%増加しており、昨年は増加幅がさらに拡大したとWSJは推定している。

統計上、米国人口が最後に純流出となったのは1935年だった。当時、米国を離れた人々の最大の移住先はソビエト連邦で、その数は10万人を超えていた。

専門家は、人口の純流出の背景として、米国内の暴力犯罪の増加や生活費の高騰、政治的混乱に加え、海外生活の経済的利点や他国の生活様式への志向などを挙げている。特に、米国の高い賃金水準が、学生やリモートワーカー、退職者らにとって海外定住を可能にする経済的基盤となっているとの分析もある。また欧州では、米国に比べて医療費が安いことに加え、歩行者に配慮した都市環境、英語で利用可能な共同作業空間、比較的低い住居費、さらに安価で安全な教育環境などが、米国人を引きつける要因として指摘されている。

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