
先月28日(現地時間)アメリカとイスラエルがイランに対する大規模攻撃「壮大な怒り(Operation Epic Fury)」作戦を実施し、イラン最高指導者アーヤトッラー・アリー・ハーメネイー氏が死亡する中、米ホワイトハウス内ではイランの反撃の規模が予想を上回っているとの評価が出ている。
米政治専門メディアであるポリティコのホワイトハウス担当記者ダーシャ・バーンズ氏は、2日(現地時間)ポッドキャストで「ホワイトハウス関係者と話した結果、イランの反応は当初の予想より大きく強いとの評価が内部で出ている」と伝えた。
この日、ピート・ヘグセス国防長官も「短期間で解決できる問題ではない」とし、「広大な戦闘空間にさまざまな戦力が展開されている」と述べた。
ホワイトハウス内部や米国防長官のこうした発言は、イラン空爆の当初の想定とは異なる側面を見せていることを示している。
これに先立ちアメリカは、昨年6月の「ミッドナイト・ハンマー作戦」でバンカーバスターなどを投入し、イランの核施設を攻撃した。当時イランは目立った反撃を行えず、今年初めには大規模な反政府デモも発生するなど混乱が広がっていた。
アメリカはこうした状況を利用して奇襲的な大規模空爆を実施したが、イランはわずか1時間後には中東の米軍基地を攻撃するなど強硬な対応を見せた。
「耐えた側が勝つ」…イランの真の戦略
先月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ大統領がイランへの軍事介入を容易に決断できない理由の一つとして、イランが保有する約2000発の弾道ミサイルを挙げた。また、湾岸地域の米軍基地やホルムズ海峡の艦船を攻撃できる短距離ミサイルや対艦巡航ミサイルも多数配備されているとの指摘もある。
実際、イランはアメリカ軍の奇襲攻撃によってハーメネイー最高指導者を失う大きな打撃を受けたものの、予想以上に早く混乱を収拾し、体制維持のため結束して本格的な反撃に乗り出した。
フィナンシャル・タイムズは「イランは昨年6月の核施設攻撃後、イスラエルにミサイルを発射したが、その多くが迎撃されたことを受けて戦略を修正した」とし、「湾岸地域のアメリカ同盟国の軍事基地だけでなく民間施設も標的にし、短距離ミサイルやドローン攻撃を行っている」と報じた。
こうした戦略は、イランが時間を稼いで持ちこたえさえすれば勝利の可能性が高まるとの計算に基づくものとみられている。
高価な迎撃ミサイルを逆手に取るイラン
現在イランは、現代戦の様相を変えたシャヘドドローンなど比較的安価なドローンや低コストミサイルを優先的に使用し、アメリカや同盟国の防空網を消耗させる戦術を取っている。このような戦略は、アメリカやイスラエル、中東同盟国が保有する迎撃ミサイルを急速に消費させると同時に、莫大な財政負担を与える可能性がある。
ウクライナの軍事専門メディアであるディフェンス・エクスプレスは2日、「迎撃ミサイルの価格は破壊対象のミサイルより約30倍高く、この『消耗戦』に果たしてアメリカと同盟国が耐えきれるのか疑問が出ている」と報じた。また、「パトリオットシステムでイランのミサイル400発を迎撃した場合、費用が41億ドル(約6,400億円)から最大96億ドル(約1兆4,700億円)に達する可能性がある」と伝えた。
ノルウェーの防空専門メディアであるNorsk Luftvernも、「攻撃と防御の間に存在する経済的非対称性は、体系的に攻撃側に有利に働く」と指摘した。さらに「昨年の『12日間戦争』では、迎撃ミサイルだけで20億〜40億ドル(約3,100億円~約6,200億円)が費やされた一方、イランの攻撃ミサイルの生産費用はそれよりはるかに低かった」と分析している。
イギリス軍元少佐のロバート・キャンベル氏もフィナンシャル・タイムズに対し、「イランはTHAAD(サード)など迎撃ミサイルが高価で開発に数年を要することを理解している」としたうえで、「旧型ミサイルを先に発射して敵の在庫を消耗させ、新型の固体燃料ミサイルは温存している可能性がある」と分析した。
イギリスの安全保障専門家ジョン・フィリップス氏もアルジャジーラに対し、「イランの戦略は、アメリカとイスラエルの強力な圧力の中でも生き残り、初期の損害を受けても第2撃能力を維持することだ」と指摘した。
米国防長官「矢ではなく射手を攻撃する」
イランが時間を味方につけようとする一方、アメリカはより確実な打撃を与えるため、地上軍投入も排除していない。
トランプ大統領は2日、ニューヨーク・ポストに対し、「これまで多くの大統領は『地上軍は投入しない』と言ってきたが、私は地上軍についての『恐怖症』(yips)はない」と述べた。一方で「地上軍はおそらく必要ないだろう。しかし必要であれば投入できる」とし、地上軍投入の可能性を排除しない姿勢を示した。
ヘグセス国防長官も同日の記者会見で「我々は矢ではなく射手を攻撃する」と述べた。イランが温存している新型ミサイルを発射する前に、発射装置そのものを破壊するという戦略だ。
アメリカの地上軍が投入された場合、単なる軍事施設の破壊や要人排除を超え、事実上の領土掌握、政権交代、地下核施設の確保などに直接関与することになる可能性がある。この場合、戦争の性格は大きく変化し、同時に兵士の損失リスクや駐留費用も大幅に増大することになる。
トランプの強硬姿勢、中間選挙への影響は
トランプ大統領は兵士の犠牲も覚悟している姿勢だ。彼はこれまでにも「我々の側にも死傷者が出るかもしれない。戦争ではよくあることだ」、「残念ながらこの戦争が終わる前にさらに多くの犠牲が出るだろう」と発言している。
イラク戦争やアフガニスタン戦争で大きな兵力損失を経験したアメリカにとって、地上軍投入は依然としてトラウマに近い問題だ。こうした状況の中、トランプ大統領の強硬な姿勢が結果的に米軍の損失拡大につながる可能性も指摘されている。
すでに米軍兵士6人の戦死が確認されており、長期戦や地上軍投入、兵力損失に加え、議会の承認を得ていない今回の戦争の合法性をめぐる議論も、来る11月の中間選挙でトランプ大統領に不利に働く可能性があるとの見方が出ている。
















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