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「米国、イラン戦を続けられるか」カギを握るのは中国のレアアース規制だった

梶原圭介 アクセス  

引用:SCMP
引用:SCMP

米国の対イラン戦が長期化するかどうかは、中国によるレアアース輸出規制の行方にかかっていると、香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が11日、匿名の消息筋や専門家の見解を引用して報じた。

SCMPは、米国が現在保有しているレアアース在庫は約2か月分にとどまると伝えた。

オーストラリアのシドニー工科大学オーストラリア・中国関係研究所のマリナ・チャン准教授は、中国が米国向けレアアース輸出規制をさらに強化した場合、米国は主要兵器部品の深刻な不足に直面するとの見方を示した。そのうえで、先端兵器の生産縮小、またはレアアースの戦略備蓄取り崩しを迫られる可能性があると指摘した。

産業シンクタンクのクリティカル・ミネラル・ハブ創設者、アマンダ・バン・ダイク氏は、米国は現在のミサイル備蓄によって対イラン戦を少なくとも3〜6か月継続できるとしているものの、戦闘終結後はレアアース不足によって再補給が難しくなると見通した。

さらに、米国が中国産鉱物なしでミサイルを生産するのは容易ではないと付け加えた。

SCMPは、米国のドナルド・トランプ大統領が当初、対イラン戦は4〜5週間続くとの見通しを示していた一方、9日には早期終結の可能性に言及した背景に、レアアース供給への懸念があるとの見方を示した。

中国は昨年4月4日、レアアース17種のうち、テルビウムとジスプロシウムを含む重レアアース7種について対米輸出規制を導入し、対象品目の輸出入に特別許可を義務付けた。さらに同年10月には、規制対象にレアアース5種を追加した。

中国は昨年11月、米国との1年間の貿易・関税休戦を延長したが、レアアース輸出に関する特別許可制度は維持している。

テルビウムとジスプロシウムは、耐熱性に優れた高性能磁石の製造に使われる重レアアースである。

これらは電気自動車や風力発電機に加え、ミサイル誘導装置、戦闘機エンジン、高性能ドローンの製造にも不可欠とされる。

米地質調査所(USGS)の報告書によると、2021年から2024年にかけて米国が輸入したレアアースの71%は中国産だった。この期間に輸入したテルビウムなどの重レアアースも、すべて中国から調達していたことが確認された。

このため、トランプ大統領は先月、米輸出入銀行と民間資本を活用し、レアアースなど重要鉱物の備蓄を進める総額120億ドル(約1兆9,000億円)規模のプロジェクト・ボールトを始動させた。あわせて、カリフォルニア州マウンテンパス鉱山の再稼働や、オーストラリア、タイなどとの協力を通じた供給網の多角化にも乗り出している。

ただ、中国が世界のレアアース生産と供給網を掌握している現状を踏まえると、米国が短期間で中国依存から脱却するのは容易ではないとの見方が大勢だ。

こうしたなか、SCMPは、今月31日から来月2日にかけて見込まれるトランプ大統領の訪中に合わせた米中首脳会談で、レアアース問題が重要議題として扱われる可能性が高いと予想した。

中国の復旦大学米国研究センターの趙明昊教授は、米中首脳会談でトランプ大統領がレアアースの安定供給について、より明確な確約を求める可能性が大きいと分析した。一方で中国は、レアアースを交渉材料として、米国に関税や輸出規制を巡る譲歩を求めるとの見通しを示した。

マリナ・チャン准教授は、中国はレアアース規制を通じ、米国との交渉だけでなく、より広範な地政学的競争でも有利な立場に立てると指摘した。そのうえで、レアアースが米中の戦略的均衡を再編する可能性もあると主張した。

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