ホワイトハウス報道官「降伏宣言を意味するものではない」

米国が対イラン軍事作戦の終結の基準を引き下げ、出口戦略を模索している可能性がある。当初取り沙汰されていた「政権交代」や「無条件降伏」という基準から一歩後退し、イランの通常軍事力を弱体化させる水準で作戦の終結を模索しているとみられる。
米ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は10日(現地時間)の記者会見で、「作戦は最高司令官である大統領が軍事目標が達成されたと判断した時点で終了する」と述べ、「イランが無条件降伏を明示的に宣言する必要があるという意味ではない」と説明した。
さらに「イランの脅威が弾道ミサイル戦力などによって支えられなくなれば、空虚な脅威に過ぎなくなる」と語った。これらの発言は、戦争終結の基準を「イラン政権の完全崩壊」や「無条件降伏」から、「軍事能力の弱体化」というより限定的な目標へと具体化し、同時にハードルを引き下げたものと解釈されている。
実際、米国のドナルド・トランプ大統領をはじめとする米政権関係者は、最近の戦況を示す具体的な数値を強調している。レビット報道官はこの日の会見でも、「作戦開始以降、イランの弾道ミサイル攻撃は90%以上減少し、ドローン攻撃も約85%減った」と明らかにした。公式目標として掲げてきた核の脅威の恒久的排除よりも、通常戦力の弱体化という限定的な軍事的成果を前面に押し出す姿勢がうかがえる。
こうした米国の軌道修正は、イスラエルとの戦術的な温度差を生む可能性もある。イスラエル国内では依然としてイラン政権の弱体化、あるいは政権交代を目標とする声があるためだ。この目標の違いは、戦争がどの時点で終結するのかをめぐり、両国の間に微妙な緊張を生む可能性がある。
米国が政権交代という目標に慎重になっている背景には、現実的な制約もある。空軍力に依存した攻撃だけで、40年以上続いてきたイランの軍事・宗教統治ネットワークを完全に崩壊させることは極めて困難とみられている。
米外交問題評議会(CFR)のリンダ・ロビンソン上級研究員は今月3日の寄稿で、「空中戦だけで勝利した戦争は歴史上存在しない」と指摘し、「このような急ごしらえの単独作戦が空軍力だけで成功すると考えるのは愚かな発想だ」と述べた。
大規模な地上軍投入も現実的な選択肢とは言い難い。仮に政権が崩壊したとしても、イラクやリビアのように統制不能の内戦状態に陥る危険性がある。
結局のところ、トランプ政権は出口の見えない長期戦の泥沼にはまることや、原油価格の急騰や物流混乱による莫大な経済的コストを回避するため、「牙を抜かれたイラン」を作り出す水準で勝利条件を再設計しているとみられる。
米ハドソン研究所のウォルター・ラッセル・ミード上級研究員は9日付のウォール・ストリート・ジャーナル寄稿で、イラン政権が存続したまま戦争が終結するシナリオを最も現実的な結末として挙げ、「今回の作戦は根本的な問題を一つも解決しないまま、世界の要衝で不安定な力の均衡を維持するだけの『史上最大の芝刈り作戦』として記憶されるだろう」と指摘した。
敵を完全に排除するのではなく、軍事能力を定期的に弱体化させることで脅威の水準を管理する戦略になるとの見方が出ている。
















コメント0