
米国とイスラエルによるイラン攻撃が3週目に突入する中、ドナルド・トランプ米大統領がイラン戦争を開始した目的や終結戦略が依然として明確になっておらず、同盟国と敵対国の双方に混乱が広がっている。戦争終結に最大の影響力を持つのはトランプ大統領とみられているが、その発言や政策方針がたびたび変化しているため、戦況の行方を予測しにくくなっているとの見方が出ている。
16日、ブルームバーグによると、最近行われた主要7か国(G7)首脳による電話協議でも、欧州の首脳らはトランプ大統領に対し、戦争の最終目標について繰り返し質問したとされる。しかし、トランプ大統領は通話の中で具体的な戦争目標は明らかにできないとしながらも、自身には複数の目標があり、戦争が早期に終わることを望んでいると説明したという。
終戦時期や条件についてもはっきりしていない。トランプ大統領がフォックス・ニュースのインタビューで戦争終結の時期について「骨の髄で感じたとき」と表現して以降、各国政府関係者の間で困惑と懸念が広がっている。
同盟国の間では米国を中心に結束するというよりも、各国の利益を優先する動きが目立つ。実際、米国は封鎖されたホルムズ海峡の再開に向けて軍事支援を要請したが、同盟国は積極的な対応を示していない。ホルムズ海峡は世界の石油供給のおよそ20%と大量の液化天然ガス(LNG)が通過する重要な海上ルートとされる。
一部の国は米国との共同軍事作戦に参加するのではなく、イランとの非公式な外交ルートを通じて自国船舶の安全な通過を確保しようとする動きもみせている。インドやトルコなど複数の国がホルムズ海峡を通過する自国船舶の安全確保に向けて個別交渉を試みていると伝えられている。
日本政府も船舶護衛作戦について「高い障害がある」との立場を示し、事実上参加に慎重な姿勢をにじませた。今回の戦争が同盟国と十分な協議を経ないまま始まったことも不満の要因と指摘されている。
トランプ大統領は15日、フィナンシャル・タイムズのインタビューで、中国がホルムズ海峡の再開に協力しない場合、習近平国家主席との予定されている首脳会談を延期する可能性があると明かした。さらに欧州の同盟国がより積極的に行動する必要があるとも強調した。
トランプ大統領は「何の対応もなかったり否定的な対応が示された場合、北大西洋条約機構(NATO)の将来にとって非常に悪い事態になるだろう」と述べた。
米政府は、複数の国が参加するタンカー護衛連合の創設を早ければ今週中にも発表する見通しだ。ただし、この作戦が戦争中に開始されるのか、戦争後に実施されるのかは依然として不透明な状況にある。
イランは米国とイスラエルによる空爆にもかかわらず、中東各地を対象にミサイルやドローンによる攻撃を続けている。ホルムズ海峡を通過する船舶の統制が強まったことで、国際原油価格は1バレル当たり100ドル(約1万6,000円)を超えた。
これは世界経済に衝撃を与えると同時に、トランプ大統領の国内政治にも負担となっている。最近ではトランプ大統領の側近の一人が、公然と戦争の勝利を宣言して軍事作戦を終えるべきだと訴えた。
欧州の外交関係者は、最近の米国による軍事作戦の拡大は作戦の頂点に近い可能性があるとみている。つまり、イランに残る軍事能力を弱体化させるため短期間に集中的な攻撃を行った後、戦争終結を宣言する可能性があるとの分析だ。
欧州関係者は、トランプ大統領がイランの軍事力がほぼ破壊されたと主張している点には誇張がある可能性があるとみる一方、こうした発言が戦争終結の政治的根拠を作る狙いかもしれないと評価している。
湾岸諸国も米国の戦争計画について十分な情報共有を受けていないとして不満を示している。一部の湾岸諸国の関係者は、今回の戦争が米国との協議なしに始まったとみており、現在もワシントンの戦略を把握するのが難しいと述べている。
戦争が交渉なしに終わる可能性も指摘されている。トランプ大統領が目標を達成したと判断するか、戦争費用が政治的負担になったと判断した場合、一方的に勝利を宣言して軍事作戦を終了させる可能性があるとの見方だ。
トランプ政権でイラン特使を務めたエリオット・エイブラムス氏は「トランプ大統領はイランの軍事力と海軍力をかなり破壊し、核計画も数年遅らせた」と述べ「トランプ大統領が望めば、いつでも戦争を止めて勝利を宣言できる」と語った。
















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