
世界で最も密度が高いと評価されるイスラエルの防空網がイランの「物量攻勢」に押される形になった。イスラエル軍当局は22日、「前夜、イランが発射した弾道ミサイル2発がイスラエルのディモナとアラドの住宅地に落下した」と明らかにした。
ネゲヴ砂漠近くにあるディモナはイスラエルの核研究施設と原子炉がある場所で、イスラエルが誇る防空網である「アイアンドーム」が最も強力に保護する地域だ。今回の攻撃による核研究センターの被害は報告されていないが、イスラエルが2回迎撃を試みたにもかかわらず失敗した事実が確認され、防空システムへの信頼が揺らいでいる。
SNSに公開された映像では、空中で迎撃に失敗したミサイルと推定される物体が高速で落下し村に衝突する。現在、イスラエル軍は30人以上の死傷者と莫大な財産被害をもたらしたイラン発の弾道ミサイルの迎撃失敗の経緯について調査中だ。
現在、イスラエル軍の内外では技術的限界や運用的要素など複合的な要因が作用した可能性があるとの見方が出ている。イランが発射したミサイルの一部は空中で多数の小型弾頭に分離される「クラスター」方式が使用されており、高価なアイアンドームでも迎撃が難しいとの評価が出ている。
イスラエルは数十億ドルをかけて構築した多層のミサイル防空システムを運用している。最上層防御システムであり、イスラエル版THAAD(終末高高度防衛ミサイル)と呼ばれる「アロー3」と共に2017年に実戦配備された「ダビデスリング」が中距離ミサイル迎撃を担当する。
大気圏外まで迎撃が可能なアロー3の射程は最大2,400㎞に達する。ダビデスリングの射程は約300㎞とされる。最も高価なアイアンドームは迎撃高度が4~70㎞で、短距離ロケット迎撃において世界最高水準と評価されている。イスラエル軍はイランの弾道ミサイル迎撃率が90%以上だと主張するが、専門家はどんな防空網も100%完璧ではないと指摘する。
実際、イスラエル軍のナダブ・ショシャニ報道官は22日、記者団に「イランが戦争開始後に発射した400発以上の弾道ミサイルのうち約92%を迎撃した」と明らかにした。ショシャニ報道官は「非常に高い迎撃率を維持している」と強調したが、イランのミサイルの一部が防空網を突破して本土に落下した事実を間接的に認めた形だ。
特に現在イランの戦略のように低価格のミサイルやドローン(無人機)でイスラエルが持つ高価な迎撃防空システムを迅速に消耗させ、クラスターなどを動員して被害範囲を広げる方式であれば、ますます迎撃率は下がり、被害規模は拡大するしかない。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「イスラエル内部で迎撃ミサイルの在庫不足の懸念が再び浮上している」とし、「昨年イランとの『十二日間戦争』で迎撃資産の相当部分が消耗されたためだ」と分析した。イスラエル国防部は「長期戦に備えて十分な準備ができている」とし在庫不足説を否定したが、戦争が長期化すれば負担が大きくなるしかないという指摘がある。
イラン当局はイランのディモナ攻撃が自国の核心核施設であるナタンズのウラン濃縮施設への攻撃に対する報復的性格だと明らかにした。イスラエル側はナタンズ攻撃を公式に認めていないが、イラン原子力庁は21日午前の声明で「今朝ナタンズ濃縮施設が攻撃の標的になった」と確認した。
攻撃直後、イラン原子力安全センターは施設近くを対象に放射性汚染物質排出の可能性に関する精密技術調査を行ったが、幸いこの地域での放射性物質の漏出は報告されていない。ただし、米国・イスラエルとイラン間の戦争が4週目に入る中、相手国の核施設まで攻撃する「レッドライン」さえ越えたとの懸念が出ている。
一方、米国のドナルド・トランプ大統領は21日、イランに「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イランの主要発電所を焦土にする」と警告した。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はイラン電力の80%を占める複数の天然ガス発電所やテヘランのダマバンド複合火力発電所が標的になると予想した。
イランはトランプ大統領の警告にもさらに強硬に対応するとし、退く意思がないことを明らかにした。イラン軍の報道官は22日、「イランは『目には目を』の原則を超えて、いかなる敵国の攻撃にもより深刻な結果で対応する」と述べた。イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は「敵が燃料およびエネルギーインフラを攻撃する場合、中東内の米国と該当国政権が関連するエネルギーインフラと淡水化施設まで標的にする」と強調した。
イスラエルは数十年にわたり核兵器保有の有無を認定も否定もしない「核の曖昧性」政策を維持しているが、国際社会では事実上核兵器保有国として認識されている。














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