
23日(現地時間)、イスラエルのメディアは、米国がイランとの戦争終結に向けた目標時期として4月9日を提示し、両国間の会談が近く行われる可能性があると報じた。
イスラエル紙イェディオト・アハロノトは情報筋の話として、「ワシントンが4月9日を戦争終結の目標期限に設定した」としたうえで、「それまでの約21日間にわたり、軍事衝突と交渉が並行して続く可能性がある」と伝えた。
さらに、この情報筋は「米国とイランの会談が今週後半にもパキスタンで行われる見通しだ」と述べた。パキスタン外務省のタヒール・フセイン・アンドラビ報道官もこの日、CNNのインタビューで「両国が合意すれば、パキスタンはいつでも会談を主催する準備ができている」と明らかにした。
イェディオト・アハロノトは、米国側がイランのモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ国会議長と、すでに間接的な交渉を進めていると報じた。ただ、こうした交渉の詳細については、米国はイスラエル側と共有していないとされる。
イスラエル政府内では、ドナルド・トランプ米大統領が最近、イランとの直接対話の可能性に公然と言及したことを踏まえ、水面下での交渉がすでに相当程度進んでいる可能性があるとの見方が出ている。
バンス副大統領ら、イラン高官と対面協議へ
終戦に向けた交渉の詳細も明らかになってきた。
この日、ロイターはパキスタン政府関係者の話として、早ければ今週にも、米国のJ・D・バンス副大統領、スティーブ・ウィトコフ特使、ジャレッド・クシュナー氏が、パキスタンのイスラマバードでイラン当局者と会談し、終戦交渉を行う見通しだと報じた。実現すれば、2月28日の開戦以降、米国とイランの間で初の対面協議となる。
交渉は、イランと友好関係にあるパキスタンが積極的に仲介・主催する形で行われる見通しだ。パキスタン政府内で大きな影響力を持つアシム・ムニール陸軍参謀総長は22日、トランプ大統領と電話会談を行った。
一方、交渉の進展をめぐっては、米国とイランの主張に食い違いがみられる。トランプ氏は「過去2日間、テヘラン側と非常に良好で生産的な会談を行った」と述べ、その証拠として、イラン国内の発電所やエネルギーインフラへの攻撃を5日間停止するよう軍に指示したことを明らかにした。これに対し、イランのガーリーバーフ議長は「米国との交渉は全くなかった」と否定し、関連報道を金融市場や原油市場を揺さぶるための「フェイクニュース」だとして一蹴した。
ただ、イラン側も少なくとも米国との間で間接的なやり取りが行われたこと自体は認めている。イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官は、友好国を通じて戦争終結に向けた米国の交渉要請を受け取り、イランの基本的立場に基づいて適切に対応したと明らかにした。また、主要な当事国であるイスラエルの反応も、米国とイランが対話を模索する局面に入っていることを示唆している。
出口戦略を探るトランプ氏、イランの出方に注目
トランプ氏は開戦当初、イランに対し「無条件降伏」を要求し、「政権交代」にまで公然と言及していたことから、現段階で終戦交渉を進める動きは、当初の目標から大きく後退したとの見方が出ている。こうした姿勢の転換については、戦争の長期化に伴う経済的打撃が政治的な負担につながるとの懸念が背景にあるとの指摘が多い。
また、トランプ氏が、イランの核開発阻止や弾道ミサイルといった対外的脅威の排除、さらには最高指導者アリ・ハメネイ師を含む指導部への打撃などを成果として掲げ、「勝利」を強調することで戦争終結の大義名分を整え、同師の後継候補とされるモジタバ・ハメネイ師体制を事実上容認する形での出口戦略を模索しているとの見方も出ている。
実際、トランプ氏は今後のイランとの対話に関して、核兵器の放棄やウラン濃縮の全面停止、核物質の国外搬出、弾道ミサイルの削減、ホルムズ海峡の共同管理など、いわゆる「15項目」を提示した。特に、ホルムズ海峡をめぐっては、「私とイラン最高指導者が共同で管理できる」と言及した。この発言は、モジタバ師が率いるとされるイランの新たな神政体制を事実上容認する可能性を示唆するものとみられている。
ただ、ホルムズ海峡の封鎖に踏み切り、戦争賠償の要求にまで踏み込んでいるイランが、ウラン濃縮や核物質の国外搬出、弾道ミサイルの削減といった敏感な問題で従来よりも柔軟な姿勢を示さない場合、両国間の衝突が地上戦にまで拡大し、さらに激化するとの懸念もなお残っている。
英紙ガーディアンは、「過去20年にわたり両国の主要な争点となってきた問題で、イランがウラン濃縮の権利放棄に同意すれば、極めて大きな進展となる」と指摘した。
トランプ氏、海兵隊・空挺部隊の投入示唆でホルムズ海峡に圧力
トランプ氏は、今回の対話が決裂した場合、イランに対する軍事行動を一段と強化する可能性を示唆している。
23日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、米軍が約5,000人規模の海兵遠征部隊をイラン方面に移動させているほか、18時間以内に世界のどの戦域にも展開可能な約3,000人規模の空挺部隊の投入案も検討していると報じた。
このうち、ホルムズ海峡周辺のイラン沿岸や、同国の主要な石油輸出拠点であるハールク島の占領作戦が実行された場合、投入が想定される約2,500人規模の第31海兵遠征部隊は、まず日本の駐留拠点を出発し、約1週間で中東の作戦地域に到達するとみられている。
米軍の地上部隊の集結は、中東情勢の様相に大きな変化をもたらす可能性があり、イランにとっても大きな圧力となる。このため、トランプ氏が地上戦拡大に向けた本格的な戦力増強に踏み切る前の今後5日間が、米国とイランの戦争終結に向けた決定的な「正念場」となるとの見方が出ている。
















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