出撃する米爆撃機、イベリア半島を迂回へ
ホワイトハウス「スペインの支援は不要」
米国とイスラエルによるイラン攻撃の後、同盟国の米国に背を向けたスペインが「領空閉鎖」という強硬策に踏み切った。対イラン戦争に関わる米軍機に限って、自国領空の通過を認めないというものだ。ホワイトハウスは「スペインの支援など必要ない」と一蹴したが、内心の不快感は隠せていないようだ。米国は今月初め、スペインとのすべての貿易関係を断絶する方針を示していた。

30日(現地時間)BBC放送によると、スペインのマルガリータ・ロブレス国防相はこの日「イラン攻撃に投入される米軍機はスペイン領空を通過できない」と明らかにしたという。ロブレス国防相は米軍が駐留するスペインのロタ海軍基地とモロン空軍基地をイランとの戦争に利用しようとするいかなる要請も承認しないとし「スペイン政府は開戦初期からこの点を米政府に明確に伝えていた」と説明した。
スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相も「戦争の拡大を助長する行動は一切取らない方針だ」と述べ、政府の判断を擁護した。
イラン空爆に加わっている米軍機の一部は、英グロスターシャー州のフェアフォード空軍基地を拠点としている。これは、キア・スターマー英首相が米軍による基地使用を認めたためだ。今回のスペイン政府の措置により、フェアフォード基地から出撃する爆撃機などの米軍機はイベリア半島を避け、東大西洋側やフランス上空を経由する形で迂回を迫られることになった。
左派のスペイン社会労働党を率いるペドロ・サンチェス首相の政権は、2025年1月に米国のドナルド・トランプ2期政権が発足して以降、米国とことあるごとに対立してきた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国がトランプ大統領の要求に沿って国防費を国内総生産(GDP)比5%以上に引き上げることで一致する中、スペインだけがこれを拒否した。サンチェス首相は今年2月、米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、トランプ政権の反移民政策を厳しく批判した。さらに、X(旧ツイッター)に代表される米巨大プラットフォーム企業を念頭に「16歳未満の未成年者のSNS利用を禁止し、事業者に年齢確認システムの導入を義務付ける」とも表明している。

こうした対応に不満を募らせたトランプ大統領は今月初め、ホワイトハウスでフリードリヒ・メルツ独首相と会談した際、スペインを厳しく批判した。スペインも加盟する欧州連合(EU)でドイツが中心的役割を担うことを意識した発言とみられる。トランプ大統領はイランを標的とした「エピック・フューリー作戦」の開始に際し、NATO同盟国の対応について「一部の欧州諸国、例えばスペインはひどかった」と批判したうえで「スペインはNATO加盟国で唯一、国防費をGDP比5%以上に引き上げていない国だ」とし「スペインとのすべての貿易を中止する」と威嚇した。
今回のスペインによる領空閉鎖方針について、ホワイトハウス当局者はBBCに対し「米軍の『エピック・フューリー作戦』はこれまでのところ、すべての目標を達成、あるいはそれ以上の成果を上げている」と述べた。そのうえで「スペインを含め、誰のいかなる支援も必要としていない」と強調した。
















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