
米国のドナルド・トランプ大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の誘いに乗りイラン戦争を起こしたが、結局イランの新たな人質になったとニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。NYTのモーリン・ダウド・コラムニストは25日(現地時間)のコラム「イランの新たな人質、トランプ(Trump, Iran’s Newest Hostage)」で、「悪魔のようなイラン指導部とほぼ2か月間もつれた末、トランプ大統領は逃げ出したがっているように見える」と記した。以下はコラムの要約である。
トランプ大統領はイランの軍事力を「壊滅させた」と繰り返すが、イランは屈服を拒んでいる。トランプ大統領は扱いやすい新政権が誕生したと言うが、実際には同じ政権がより悪化し、強硬で狂信的な将軍たちが運営している。イランは濃縮ウランを引き渡さず、交渉は一触即発だ。トランプ大統領が開いていると主張するホルムズ海峡は閉鎖されている。トランプ大統領はイランの封鎖を封鎖している。
米外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース前会長は自身のニュースレターで「イランがトランプ大統領の予想をはるかに超える回復力と機敏さを示した」とし、「米政府のほぼすべての前提が誤りだったことが明らかになった」と記した。ハース前会長はイランの通常戦力の弱体化を除くと「ほぼすべての指標で米国とこの地域、そして世界の状況が悪化したことを示している」と指摘した。
イランはトランプ大統領を苦しめている。最高のトローラー(Troller・荒らし)を上回るトローラーで、トランプ大統領を「敗者」であり、エプスタイン文書から関心をそらそうとするネタニヤフ首相の操り人形だと厳しく揶揄している。イランで人気のラップ曲では、トランプ大統領に向けて「お前の見たことのない罠。お前の虚栄の墓へようこそ」と歌っている。有名コメディアンのロニー・チエン氏は、イランがミーム戦争で勝利していると指摘し、「ネットいじめもできない人間をなぜ当選させたのか」と皮肉った。
トランプ大統領は戦争前の状態に戻るためイランと交渉せざるを得なくなった。ベネズエラでの冒険後、過度に自信を深めたトランプ大統領の精神は散漫になっている。米空軍機2機が撃墜された際、トランプ大統領は動揺のあまり「数時間にわたり側近らに怒鳴り散らした」という。また、トランプ大統領は復活祭(20日)に下品な投稿をし、イランの文明破壊という乱暴な脅しでイランを威嚇しようとした。しかし、イランの将軍たちこそが海峡の恐怖だ。
さらに、トランプ大統領は唯一の良い中東政策を放棄した。それは「血と砂」の中に再び引き込まれないということだった。2016年の選挙運動中、トランプ大統領はイラク侵攻について、中東を不安定化させ、資金と人的損失の両面で莫大な代償を払った「大きな愚策」と位置付けた。しかし忌まわしい「ビビ(ネタニヤフ首相の愛称)」に魅了され、トランプ大統領は血と砂の中に引きずり込まれた。
戦争の大義名分を巧みに装った米国のジョージ・W・ブッシュ前大統領とは異なり、トランプ大統領はビビの意向に沿う形で行動し、議会や同盟国、さらには怒りを強めるMAGA支持者の声も無視した。トランプ大統領はイラン戦争が米国の武器備蓄を急激に枯渇させ、ホルムズ海峡の通行を危うくするという米軍制服組トップのダン・ケイン統合参謀本部議長の警告を一蹴した。
米国は中国との戦争用に製造した長距離のステルス巡航ミサイル約1,100基、つまり全体の半数を消費した。カゲロウのような注意力しかないトランプ大統領はSNSの「トゥルース・ソーシャル」に「俺には時間がいくらでもあるが、イランにはない。時計は刻々と進んでいる!」と投稿した。しかし時間はイラン側にあり、トランプ大統領は自制心を失った。
トランプ大統領は狂乱のトゥルース・ソーシャル投稿や記者との通話、インタビューなどで誇張された楽観論を展開している。彼の参謀たちは高騰する油価と経済悪化で中間選挙での敗北を覚悟し受け入れている。そしてトランプ大統領は引き続き自身の巨大な宴会場(ホワイトハウスの宴会場建設計画)に戻る。トランプ大統領は今年に入って3日に1回程度、宴会場について言及している。イランと自ら「ゴルディアスの結び目(解決が極めて困難な問題の比喩)」を作り出したトランプ大統領にとって、宴会場は精神的な逃避先の役割を果たしている。
















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