「トランプ氏は演出、プーチン氏は成果を持ち帰った」習近平外交の“露骨な使い分け“
トランプ氏には「体面」、プーチン氏には「実利」…異なる対応見せた習近平氏

ドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、それぞれ14日と20日に北京で中国の習近平国家主席との首脳会談に臨んだ。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は20日、習主席はプーチン大統領には実利を、トランプ大統領には体面を与えることに重きを置き、中ロ両国は今回の会談を米国に対抗する連携強化の機会としたとの専門家分析を伝えた。
今年で就任後25回目の訪中となったプーチン大統領と習主席は、首脳会談で40件を超える協定を締結し、両国関係は「過去最高水準」に達した。
中国のある専門家は、米ロ首脳の相次ぐ訪中について、「華やかな演出と実利重視の違いが鮮明だった」と述べ、両者は鮮明な対照を見せたとSCMPは報じた。
習主席は20日の首脳会談後の記者会見で、今年で30年を迎えた戦略的協力パートナー関係について、「過去30年間、幾多の試練を乗り越えながら築かれてきた両国関係は、時代の流れに沿ってさらに高い水準へ発展してきた」と評価した。
プーチン大統領は今回の訪中期間中、政府および企業レベルで計40件を超える協定が締結されたと明らかにした。
ロシア国営タス通信によると、両首脳は「シベリアの力2」ガスパイプラインのルートや建設詳細を含む主要事項で合意したという。ただし、価格条件の詳細については公表されなかった。
また、タス通信は、アレクサンドル・ノヴァク副首相が、両国が約20年にわたり交渉してきた同プロジェクトの契約締結が最終段階に入ったと述べたと伝えた。
上海社会科学院のロシア・中央アジア専門家であるリ・リーファン氏は、今回の首脳会談が、ロシア産燃料の輸入価格を巡る事実上の合意を導き出す機会になったと指摘した。
リ研究員によると、今回のプーチン大統領訪中は、中東危機によって世界のエネルギー市場が不安定化する中、有利な天然ガス価格を確保し、交渉力を高める絶好の機会になったという。
同氏は、「ロシア代表団には、ロシア国営企業ガスプロムの最高経営責任者(CEO)も含まれていた」とし、「(CEOまで同行したことを見れば、)価格交渉は最終段階に入っていることが分かる」と付け加えた。
SCMPは、価格やルートを巡る長年の膠着状態を経て、現在の地政学的危機が「シベリアの力2」プロジェクトを一気に前進させる要因になったと伝えた。
ロシアは、2022年2月のウクライナ侵攻以降、欧州連合(EU)がロシア産ガス輸入を大幅に削減したことで、新たな市場の確保が必要な状況となっている。
一方、中国は、中東有事によってホルムズ海峡が封鎖されるような事態も見据え、中東依存を減らそうとしている。そのため、両国の思惑が一致し、実質的なエネルギー協力につながっている。
「シベリアの力2」ガスパイプラインは年間約500億㎥を供給でき、ロシアから西ヨーロッパへ向かう「ノルドストリーム2」パイプラインの設計容量である年間550億㎥とほぼ同規模だ。
リ研究員は、「中国はプーチン大統領には実質的成果を、トランプ大統領には『体面』を重視した」とし、「トランプ大統領は演出やアピールを重視する一方、プーチン大統領は極めて現実主義的だからだ」と分析した。
トランプ大統領の訪中後、中国はボーイング旅客機200機の購入意向を示したが、これは米国側が期待していた500機規模と比べると大幅に少ない数字だ。
米中首脳会談は、華やかな歓迎ムードにもかかわらず、双方が大きく譲歩し合うような大規模な合意はなかったとの評価が出ており、これもSCMPの分析と一致している。
リ研究員は、トランプ大統領とプーチン大統領による相次ぐ中国国賓訪問によって、中国・米国・ロシアの三角構図は「正三角形」に変化しつつあり、中国がコンパスの軸のように三角構図の中心に位置していると述べた。
北京外国語大学欧州学部長の崔洪建氏は、ロシアが貿易、エネルギー、民間技術分野で中国への依存を強めている一方、中国も戦略・安全保障面でロシアを真に必要としていると指摘した。
同氏は、中ロ関係について、「相互依存的でありながら、非対称的かつ幅広い関係だ」と説明した。その上で、「米中両国が、無謀な競争や対立のために戦略・安全保障・軍事的手段を用いることを明確に停止することで合意しない限り、中国は戦略的安定と軍事バランス維持のため、今後もロシアへの依存を続けるだろう」との見方を示した。















コメント1
磯爺
ロシアはモスクワ大規模攻撃を受け国民の不安、及び不満が渦巻いている。経済もかなり悲惨な状態らしい。何とかガスだけでも中国に売り込みたいようだ。中国も笑顔で招いたが、本心はそれどころではないようだ。