
米共和党の下院指導部が、ドナルド・トランプ米大統領の対イラン戦争の権限を制限する決議案採決を、6月の議会の休会後に延期することを決めたと、ニューヨーク・タイムズ(NYT)や米政治メディアのポリティコなどが報じた。
下院の共和党指導部によるこの決定は、トランプ大統領の政治的な立場を意識した動きとみられる。採決を予定通り実施した場合、決議案が可決される可能性が高かったためだ。
現在、民主党の議員全員と、ドン・ベーコン氏(ネブラスカ州)、トーマス・マッシー氏(ケンタッキー州)、ブライアン・フィッツパトリック氏(ペンシルベニア州)、トム・バレット氏(ミシガン州)ら、共和党の議員4人が決議案に賛成している。
トム・キーン・ジュニア氏(ニュージャージー州)やフレデリカ・ウィルソン氏(フロリダ州)ら共和党の議員6人は、採決への不参加を続けてきた。
総議席が435の下院は現在、共和党が218議席、民主党が213議席で、4議席が空席となっている。
この決議案に一貫して反対してきた、民主党内で唯一の議員である下院のジャレッド・ゴールデン氏(メイン州)は、採決を前に賛成へと転じた。また、決議案に反対してきた、共和党内の中道派で介入主義者のベーコン氏も、最近になって賛成に考えを変えた。
下院の過半数にあたる218議席以上の賛成で可決される可能性が高い状況だった。
民主党は採決の延期を批判した。

民主党の下院外交委員会の筆頭理事であるグレゴリー・ミークス氏(ニューヨーク州)は「共和党が大統領をかばっている」と批判した。
今回の決定は、下院議長のマイク・ジョンソン氏(共和党・ルイジアナ州)に屈辱を与えたものと受け止められている。
NYTは、ジョンソン氏は決議案の議論の過程で、イラン戦争への反対や大統領の権限を制限しようとする動きを阻止するために奮闘してきたが、戦争に反対する党内の造反票の拡大という現実に、直面することになったと指摘した。
採決の延期は、トランプ大統領の党内での求心力が依然として強いことを示すものとなった。
下院の全議席と上院議員の3分の1を改選する11月の中間選挙を前に、共和党ではトランプ大統領に忠誠を誓わない議員が、次々と排除されている。イラン戦争に反対し、トランプ大統領と対立してきたトーマス・マッシー氏(ケンタッキー州)が19日、地元のケンタッキー州第4選挙区で行われた党内の予備選挙で敗れたのが、その代表的な例だ。
戦争や物価の上昇などの影響で、トランプ大統領の支持率は過去最低の水準にまで落ち込んだが、共和党の中核となる支持層である「MAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大に)」は、むしろ結束を強める様子を見せている。













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