
北大西洋条約機構(NATO)と日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドのインド太平洋4カ国(IP4)は、ロシアと中国の関係深化に対応して軍事力の強化を進める中、防衛産業および先端技術分野での協力を拡大することで合意した。
NATOのマルク・ルッテ事務総長は7日、トルコ・アンカラで開催されたNATO首脳会議に合わせ、IP4のNATOパートナー国首脳らと会談した。
今回の会談には茂木敏充外務大臣と小泉進次郎防衛大臣、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と趙顕外相のほか、ニュージーランドのクリス・ペンク国防大臣、オーストラリアのパット・コンロイ国防産業相などが出席した。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が8日に報じたところによると、日本外務省は、ルッテ事務総長とIP4の首脳らがロシアによるウクライナ侵攻、中国をめぐる問題などインド太平洋地域の情勢、北朝鮮政策、イラン情勢について率直な意見交換を行ったと明らかにした。
また、防衛産業、サイバー空間、技術分野などにおける協力も強化することで合意したという。
ルッテ事務総長は、「国際社会が直面するさまざまな課題に適切に対処するため、IP4諸国との関係を強化していく考えだ」と述べた。
茂木外相は、「ロシアと北朝鮮がウクライナで軍事協力を行った事例が見られるように、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分であり、IP4とNATOがこのように一堂に会して連帯を確認することは極めて重要だ」と述べた。
さらに、「NATOとIP4の強固な関係は国際社会全体の平和と安定にも寄与する」としたうえで、「各国は実質的な協力をさらに強化し、戦略的関係を一層強固なものとする意思を示した」と語った。
IP4パートナーグループは、欧州・大西洋地域とインド太平洋地域の相互に結び付いた安全保障環境に対応するため、2022年から毎年NATO首脳会議に招待国として参加している。
ルッテ事務総長は7日、NATO首脳会議の防衛産業フォーラム開幕基調講演で、「ロシアは国家予算の半分をウクライナでの戦争の遂行に投入しており、中国、北朝鮮、イランとの協力を一段と深めている」と述べた。
また、中国は透明性を欠いたまま軍の近代化と核戦力の拡大を進めており、北朝鮮は核開発計画を拡張していると指摘した。
さらに、「このような状況は私たち全員にとって懸念すべきものだ」と述べるとともに、同盟国間の協力強化に加え、インド太平洋地域のパートナーとの協力強化も呼びかけた。
SCMPは、中国がウクライナ戦争を巡り中立的立場を維持しているとする一方、マイクロエレクトロニクス製品や高性能工作機械、ドローン部品、原材料などの軍民両用技術・装備をロシアに提供しているとの指摘が出ていると報じた。
中国とロシアは、合同爆撃機による共同パトロールや中国東部海域での海上合同演習など、定期的に軍事演習を実施している。
先週ロイター通信は機密のロシア文書を引用し、ロシアの軍事代表団が11月に北京の中国人民解放軍施設で放射線、化学、生物戦訓練に参加したと報じたとSCMPは伝えた。
中国は6日、模擬弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を太平洋方向へ初めて試験発射した。これは1982年以来、人民解放軍(PLA)による初の潜水艦発射ミサイル試験とされている。
ルッテ事務総長は、中国によるSLBM試験発射について、「NATOは中国に対して甘い認識を持つべきではないことを示す証拠だ」と述べた。
また6日、トルコ・アンカラで行った記者会見では、「インド太平洋地域で起きていることは、大西洋地域で起きていることと密接に結び付いている」と強調した。














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