「航空会社社員を装い東京で暗躍」ロシア情報機関、日本製先端部品の“密輸網”を構築

ロシアの情報機関が日本を拠点に軍事転用可能な先端部品を調達する秘密ネットワークを運営していることが明らかになった。
このネットワークを運営しているのは、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)傘下の秘密組織・第20局だ。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)が11日(現地時間)に報じたところによると、第20局は日本に構築した密輸ルートを通じて軍事転用可能な民生用先端部品を調達し、第三国を経由してロシアへ持ち込む役割を担っているという。
欧米の情報当局は日本国内の秘密ネットワークを統括する人物としてマクシム・ブラジミロビッチ・フィルチェンコフを特定した。
フィルチェンコフはロシア国営航空会社アエロフロートの社員を装い、東京を拠点に活動しているとされる。
日本はロシア向け軍事関連物資の輸出を禁止しているが、ロシアのスパイらは第三国を経由する迂回ルートを利用して先端部品を調達している。
NYTによると、フィルチェンコフは2024年2月に日本へ赴任した後、日本の物流会社との協力関係を構築したという。
日本の物流会社がアエロフロートが就航するスリランカやウズベキスタンなど第三国へ貨物を送り、そこからロシアへ迂回輸出する手口だ。
その際、軍事転用可能な部品であることを隠すため、虚偽の書類が使われているとされる。
ウクライナ側は、このように調達された日本製の先端部品がロシア軍がウクライナ侵攻で使用するミサイルやドローンの約90%に使われていると推計している。
実際、今年5月に24人が死亡したウクライナ・キーウの集合住宅への攻撃現場で回収されたロシアの巡航ミサイルKh-101の残骸からは日本製部品が見つかった。
ウクライナ政府は昨年4月だけでも日本製部品がロシアの兵器から見つかったことを示す証拠資料を少なくとも8件、日本の外務省に提出した。
資料には、回路基板や半導体、送信機など日本企業の製品がロシアの弾道ミサイルや各種兵器システムから見つかったとの内容が含まれていた。
一方、対象となった企業はいずれも日本の輸出管理規則を順守しており、ロシアへ直接製品を販売した事実はないと説明している。
欧米の情報当局も日本政府に対しロシアの迂回輸出ネットワークに関する情報を繰り返し提供してきたが、日本当局はフィルチェンコフに対して特段の措置を講じていないとNYTは伝えている。
第二次世界大戦以降、日本は情報機関の権限が弱いことから「スパイ天国」とも呼ばれてきた。
こうした状況を受け、与党・自民党内でも防諜体制や情報収集能力を強化するため、制度の見直しを求める動きが出ている。
自民党の塩崎彰久衆院議員は「現状には強い危機感を抱いている」とした上で「情報分野の時代遅れとなった制度を改善するため取り組んでいる」と述べた。














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