「原発を渡して本当に大丈夫か」サウジのウラン濃縮計画に懸念再燃

豊富な石油資源を誇るサウジアラビアが、原子力発電の推進に乗り出す背景には何があるのか。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は23日、米国とサウジアラビアの原子力協定締結を受け、同国が核エネルギー開発を進める背景を分析した。
米国とサウジアラビアが22日に署名した原子力協定の柱は、サウジアラビアが原発燃料となるウランを輸入する代わりに、国内で濃縮できるようにすることだ。
米国が機微な核技術の移転を認めず、厳格な安全管理の下でウラン濃縮施設を建設したとしても、サウジアラビアは原発利用にとどまらず、核兵器製造につながる潜在的な能力を得ることになる。
NYTは、米国がサウジアラビアのウラン濃縮計画を認めたことについて、中東での核兵器開発競争に対する長年の懸念を改めて高める可能性があると指摘した。
サウジアラビアの実権を握るムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、将来的な核兵器開発の可能性を否定しておらず、イランが核兵器を開発すれば、その可能性はさらに高まるとの考えを示している。
NYTは、サウジアラビアの核開発への野心は数十年前から続いている一方、今回の米国との原子力協定を含む核エネルギー計画の推進には、別の理由もあると伝えた。
2022年時点で、サウジアラビアの国内総生産(GDP)に占める原油部門の割合は40%に達しており、同国指導部は化石燃料輸出への依存度を引き下げる取り組みを進めてきた。
豊富な石油資源を持つにもかかわらず、サウジアラビアは過去10年間で1年を除き、毎年財政赤字を計上してきた。
イラン情勢を巡る軍事衝突は、石油依存型経済のリスクを浮き彫りにした。ホルムズ海峡の封鎖により石油輸出量は大幅に減少したが、原油価格の急騰が輸出減少による打撃をある程度補った。
サウジアラビアは将来的にウラン輸出国となることを目指してきた。しかし、同国のウラン埋蔵量が豊富で、経済に大きく貢献できるほど採掘しやすい資源なのかは不透明だ。
それでも、サウジアラビアは国内で採掘する場合でも輸入する場合でも、ウラン濃縮を認められれば、拡大するエネルギー需要を満たし、石油を輸出に回す余力を高められると期待している。
ムハンマド皇太子は、10年にわたる石油依存から脱却するなど、国家を大きく変革する構想を打ち出した。「サウジ・ビジョン2030」として知られるこの計画には、2030年までに電力の半分を再生可能エネルギーで賄う目標も盛り込まれている。
世界原子力協会によると、サウジアラビアの発電量に占める太陽光と風力の割合は1%未満にとどまり、大半はガスと石油に依存している。このため、2030年までに電力の半分を再生可能エネルギーで賄う目標の達成は容易ではないとNYTは伝えた。
また、サウジアラビアの指導部が、核兵器開発につながる可能性のある国内の核エネルギー計画の推進が、地域や国際社会での立場にも影響を及ぼすと考えていると報じた。
兵器級ウランを保有していなくても、サウジアラビア指導部は、核エネルギー計画を核兵器を保有する国への抑止力を構築する第一歩と位置付けているという。















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