
イラン全土で反政府デモが激化する中、ドナルド・トランプ米大統領の動向を巡り「ベネズエラ・シナリオ」の再来が取り沙汰されている。米紙「ワシントン・ポスト(WP)」は14日(現地時間)、トランプ大統領が今月初めにベネズエラで断行した電撃的な軍事作戦が、イラン問題における潜在的な前例(プレシデント)と見なされていると報じた。
トランプ大統領は3日、米特殊部隊を投入してベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領(当時)を拘束し、ニューヨークへ送致。13年に及んだマドゥロ政権を事実上崩壊させた。この作戦は国際社会に衝撃を与え、トランプ流の対外介入における最も大胆な事例として刻まれた。
「WP」は、この前例がイランに対する米政府の次なる一手を示唆していると分析する。実際、トランプ大統領は最近、イランのデモ隊に対し「国家機関を掌握せよ」と公然と呼びかけ、「助けは向かっている」と言及した。軍事介入を排除しない姿勢に、中東地域の緊張は最高潮に達している。
しかし、専門家はイランとベネズエラの安易な比較に警鐘を鳴らす。両国は政治体制や軍の構造、米国の介入条件が根本的に異なるためだ。元ホワイトハウス中東担当高官のカースティン・フォンテンローズ氏は「ベネズエラの事例は具体的な計画というより、米国がもはや膠着状態を容認しないという強力なシグナルだ」と指摘した。
同紙の分析によれば、トランプ氏は短期間で結果を出せる「短く決定的な打撃」を好む一方、長期にわたる複雑な介入には消極的だという。そのため、空爆のみでイラン政権を崩壊させるシナリオの現実性を疑問視する声も根強い。
一方で、水面下では米中間の接触が続いているとの観測も浮上している。最高指導者アリー・ハメネイ師は公には強硬路線を崩していないが、米側は非公式チャネルを通じてイラン側からメッセージが届いていると明かした。制裁緩和と石油輸出を巡る「取引型妥協」の可能性も、一部の専門家の間で議論されている。
ベネズエラではマドゥロ氏の排除後、暫定指導部との協力により石油輸出の統制権を確保した。こうした手法は制裁に苦しむイランにとっても「魅力的な選択肢」となり得るが、イランの権力構造や反米イデオロギーの堅固さを踏まえれば、短期間で同様の結末を迎えるのは困難との反論も多い。
結論として「WP」は、トランプ氏の「次の手」が軍事行動、外交交渉、あるいはその中間地点のいずれになるかは依然として流動的であると診断。デモの行方とトランプ氏の政治的計算が絡み合い、事態は刻一刻と変化している。
















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