
イラン当局は21日(現地時間)、昨年12月末に始まり全国へ拡大した反政府デモと、その鎮圧過程での流血事態により、3,117人が死亡したと公式発表した。
国営放送IRIBは同日、イラン国立法医学機関の情報として、死者のうち民間人と治安部隊の計2,427人がデモの最中に死亡したと伝えた。残る死者については、具体的な内訳を明らかにしなかった。
今回の発表は、昨年12月28日に経済難とイラン・リアルの急落への抗議が各地に広がり、流血事態へと悪化して以降、初めて示された公式の死者数となる。イラン政府はこれまで「数千人が死亡した」と説明してきたが、正確な数は公表していなかった。海外メディアの一部は、犠牲者が1万8,000人を超える可能性があると推計していた。
米国拠点の人権団体「人権活動家通信(HRANA)」などは、死者が4,500人台に達し得るとの集計も示している。これらの団体は医療関係者や目撃者、内部情報筋などを基に数を算出したものの、独立した検証は困難な状況にあったという。
デモは、リアルの価値急落と経済難をきっかけに複数の都市で同時多発的に始まり、当初は平和的だったが、1月8~9日にかけて暴力事態と衝突が激化した。その過程で公共施設や商店、政府庁舎などが多数損壊・焼失した。
半官半民のタスニム通信は、約460の官庁、700を超える銀行、480以上のモスク(イスラム教礼拝施設)が被害を受けたと報じている。
イラン当局はデモ隊について、「暴力的で外部勢力が介入した混乱勢力」だと位置付け、強硬な鎮圧を正当化してきた。アッバス・アラクチ外相は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、米国の脅威が騒乱をあおったとの主張を繰り返した。
アラクチ外相は、イランは戦争より平和を選ぶとしつつも、新たに攻撃を受ければ「強力に対応する」と警告し、2025年6月にイスラエルと交戦した際よりも、さらに強硬に武力を行使する準備ができているとも強調した。
イラン国内では通信・インターネットが一部遮断されているため、正確な死者数や事件の全容を国際的に独立して検証するのは難しい。人権団体や海外メディアは、死者数が公式発表を大きく上回る可能性があると指摘し、情報統制が実態把握を困難にしていると説明している。
今回の集計は、イラン政権発足以来最大規模とされるデモによる人的被害について、初めて示された公式統計として、国内外の注目を集めている。













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