
米国防総省が、北大西洋条約機構(NATO)の一部機関への参加を縮小する方針を進めていることが明らかになった。これは、トランプ米大統領によるグリーンランド取得の主張で浮き彫りになったNATO内部の亀裂や、ヨーロッパ防衛への米国の軍事投資と関与を縮小しようとする最近の動きの延長線上にあるとされる。
「ワシントン・ポスト」紙は20日(現地時間)、米国防総省関係者の話として、米国が海軍戦闘など戦争の核心分野に関する訓練を行うNATOの30の「センター・オブ・エクセレンス(COE)」での参加を減らす方針だと報じた。今回の措置による影響を受ける人員は、約200人に上るという。
もっとも、米国はこれらの機関への参加を一度に打ち切ったり、全面的に撤退したりするわけではなく、任期を終えた人員を後任で補充しない形で、段階的に縮小していく方針だ。参加の完全終了までには、数年を要する可能性があると伝えられている。今回の措置は数カ月前から検討されており、トランプ大統領によるグリーンランド取得をめぐる主張を背景とした欧州同盟国との対立とは無関係であると、国防総省の高官は説明している。
一方、ヨーロッパにおける米軍の専門的な知見は、NATOの専門訓練・研究拠点であるCOEを通じて提供されてきた。同組織への米国の関与が縮小すれば、NATO全体の観点から専門人材の流出につながる恐れがあるとの懸念も出ていると、NATOの元高官は指摘した。
トランプ政権は昨年の発足以来、欧州の同盟国に対して防衛負担の一層の拡大を求めるとともに、ヨーロッパにおける米軍の存在感を低下させる方向で政策を進めてきた。こうした圧力を受け、欧州の同盟国は、今後10年間で国防費を国内総生産(GDP)の5%にまで引き上げることで合意した。
一方、米議会では、与党・共和党内からもヨーロッパにおける米軍の態勢や戦力を大幅に縮小することに反対する声が上がっており、国防総省に対し、議会と事前に協議するよう求める仕組みの議論や導入が進められている。議会が制定した2026年度の国防権限法(NDAA)では、ヨーロッパ駐留の米軍兵力を7万6,000人未満に削減する場合、広範な報告と協議を義務付けている。現在、ヨーロッパに展開する米軍の規模は約8万人とされている。














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