
ロシア海軍航空隊の最新改良型戦闘機「Su-30SM2」が、対艦・対レーダーミサイルおよびクラスター弾を同時に搭載した状態でバルト海上空を飛行し、「北大西洋条約機構(NATO)」の空中哨戒戦闘機と近接遭遇したことが明らかになった。平時における領空識別を目的としたNATO機の任務が、高強度の打撃兵装を備えたロシア機と同じ空域で交差し、緊張が極限まで高まっているとの分析が出ている。
4日(現地時間)、「アーミー・レコグニション」等の軍事専門メディアによると、スペイン国防省は先月28日、リトアニアのシャウレイ空軍基地に展開している「EF-18Mホーネット」が、バルト海空中哨戒任務中にロシア軍機を識別・監視したと発表した。当該のロシア機は飛行計画書を提出せず、トランスポンダ(機上識別装置)をオフにした状態でNATO加盟国に隣接する国際空域を飛行しており、スペイン機はNATO統合航空作戦センター(CAOC)の指示に従い、目視による近距離確認を実施した。
この過程で、ロシアのカリーニングラードから発進した「Su-30」系列の戦闘機編隊が確認されたが、そのうち一機の重武装の状態が公開直後から軍事専門家の間で波紋を広げている。通常の識別対象というより、即応的な攻撃任務レベルの武装を備えていたためである。

◆「対艦・対レーダーミサイル+RBK-500」:平時では異例の攻撃的構成
公開された写真の「Su-30SM2」は、「Kh-31」系列の空対地ミサイル2発と「RBK-500」系列のクラスター弾2発を同時に搭載し、さらに外部燃料タンクを装着していた。「Kh-31」は超音速ラムジェット推進ミサイルで、対艦型(Kh-31A)と対レーダー型(Kh-31P)が存在する。一方、「RBK-500」は多数の子弾を散布する500kg級クラスター弾であり、沿岸インフラや飛行場、集結戦力に対する面制圧を目的とした兵装だ。専門家は、この組み合わせが海上標的への攻撃、防空網制圧(SEAD)、地上制圧を同時に想定した極めて実戦的な構成であると指摘している。

◆カリーニングラードのA2/AD体制強化と米国の対応
「Su-30SM2」は「Su-35S」由来の航空電子機器とレーダーを統合し、探知距離と同時交戦能力を大幅に強化した海軍向け最新モデルである。これが「S-400」防空システムや「イスカンデルM」が配備されたカリーニングラードの戦力と結合することで、バルト海におけるロシアの「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」体制はより立体化しているとの評価がある。
こうした軍事的緊張を受け、米議会は3日、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国に対し、2億ドル(約308億円)規模の安全保障支援予算を承認した。これは2026年度の国防権限法に盛り込まれたもので、ロシアの軍事的圧力に対する明確な政治的メッセージと解釈されている。共和党のドン・ベーコン下院議員は「ロシアの行動はバルト地域全体の安全保障環境を脅かしている」とし、抑止力強化の必要性を強調した。
今回の近接遭遇は、バルト海上空において「日常的な迎撃」と「実戦的武装」が交錯する新たな局面を示唆している。偶発的な衝突を回避しつつ、ロシアの挑発をいかに抑制するかが、NATOと周辺諸国の喫緊の課題となっている。




















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