
米国による対イラン戦争は28日(現地時間)で1か月を超えた。米国のドナルド・トランプ大統領は、イランの主要軍事力を無力化したと連日アピールしている。だが現実には、ホルムズ海峡の封鎖や中東の産油施設への打撃でエネルギー危機が深まり、世界は重い負担を強いられている。
米国とイスラエルが引き起こした戦争の代償を各国が分担させられる構図のなか、日本を含む米国の同盟国には、終戦後に別の請求書が回ってくる可能性がある。派兵要請に直ちに応じなかったことが、トランプ大統領の新たなしこりとして残っているためだ。
トランプ大統領は14日、日本や韓国など5か国がホルムズ海峡の安定化に向けて軍艦を派遣すべきだと述べたのを皮切りに、欧州やアジアの主要同盟国に対して派兵を求め続けている。
事前調整もないままソーシャルメディア(SNS)に唐突に投げ込まれた派兵要求を、すんなり受け入れた国はなかった。参戦は自国民の人的被害につながりかねないうえ、関税圧力をかけた後に協議もなく戦争へ踏み切り、その後になって突然同盟の結束を訴える米国への反発が、各国で世論の不信を招いた面もあるとみられる。
実際に米政府が同盟国の派兵に向けて本格的に動いているのかも判然としない。韓国のアン・ギュベク国防相は17日と24日の国会答弁で、米政府から公式要請はなかったと繰り返した。米国防総省も、韓国への派兵を正式に求める計画があるのかとの質問に対し、ホワイトハウスに尋ねてほしいとして明言を避けた。米国のマルコ・ルビオ国務長官は27日、主要7か国(G7)外相会合後、同盟国の即時派兵ではなく戦後支援に言及しており、政権内の温度差ものぞく。
それでもトランプ大統領は、こうした事情を意に介さず不満をあらわにし続けている。当初は同盟国支援の必要性を訴える色合いが強かった発信も、次第に圧力と警告へと重心を移してきた。とりわけ26日には、同盟国の派兵は戦争中に実現すべきだと主張し、「助けないのであれば、われわれは覚えている。数か月後に私の発言を思い出せ」と警告した。
結果として、トランプ大統領の同盟観はイラン戦争を機にさらに悪化し、深まった不信は経済や安全保障など幅広い分野で結び付く米韓関係にも影を落としかねない。
当面の矛先は欧州とウクライナ戦争に向かう可能性がある。トランプ大統領は前日の閣僚会議で、ドイツのラース・クリングバイル副首相兼財務相が「これはわれわれの戦争ではない」と述べたことを批判し、「ウクライナもわれわれの戦争ではない。われわれは助けた」と語った。ウクライナを巡る戦争への今後の対応で、米国の立場が変わる可能性をにじませた格好だ。
韓国も無関係ではいられない。関税交渉の大きな山場は越えたものの、核推進潜水艦の導入や原子力協定の改定といった敏感な課題が残り、朝鮮半島の安全保障も常に協議の対象となる。今後、両国間の争点が再び前面に出た際、いまのトランプ大統領の感情がそのまま対韓姿勢ににじむ可能性は否定できない。「同盟」という言葉に安住するのではなく、緻密に交渉カードを整えておく必要がある。
















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