
米国のドナルド・トランプ大統領は27日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国がホルムズ海峡への艦艇派遣に応じなかったことを批判し、NATOからの離脱可能性まで示唆した。
トランプ大統領はこの日、米フロリダ州マイアミでサウジアラビアの政府系ファンドが関わる投資イベント「FII PRIORITY Miami 2026」で演説し、我々はいつも彼らのためにそばにいたが、いまの行動を見ると、もはやそうする必要はないように思えると述べた。
そのうえで、NATOに属する欧州の同盟国が、ホルムズ海峡に艦艇を派遣してほしいという米国の要請に即座に応じなかった点を取り上げ、わずかな軍事装備すら送らなかったのはひどい失敗だったと思うと非難した。
今回の発言は、欧州の同盟国と半世紀以上にわたって維持してきた集団安全保障体制から、米国が距離を置く可能性をにじませたものと受け止められている。
トランプ大統領は発言後、これはニュースになるなと冗談めかして語り、さらに、彼らが我々のそばにいないのなら、なぜ我々が彼らのそばにいなければならないのか。彼らは我々のそばにいなかったと重ねて主張した。
トランプ大統領は、イランによるホルムズ海峡封鎖戦略で圧力が高まる中、14日以降、日本、韓国、欧州の同盟国に艦艇派遣を求めてきた。だが、いずれの国も派遣に容易には応じず、同氏はNATOを中心に不満を強め、この日はついに決別の可能性まで口にした。
NATOは、米国、カナダ、欧州各国など計32か国が参加する集団防衛機構だ。1949年に発足し、いずれかの加盟国が攻撃を受けた場合、同盟全体への攻撃と見なして共同で対処する仕組みを柱としている。冷戦期以降は、欧州諸国をロシアの脅威から守る役割を担ってきた。
トランプ大統領の離脱示唆は、米国が今後、欧州諸国に安全保障の傘を提供しない可能性を持ち出し、圧力をかけた発言ともいえる。
もっとも、トランプ大統領が集団防衛体制から離れる可能性に触れたのは今回が初めてではない。
同氏は以前から、NATO加盟国が低い国防支出のまま米国の安全保障にただ乗りしていると批判してきた。2024年の大統領選候補時代には、加盟国が十分な防衛費を負担しなければ守らないだけでなく、敵国の侵攻を促すことさえあり得るとの趣旨の発言を行い、波紋を広げたこともある。
トランプ第2次政権の発足後、NATO加盟国は国内総生産(GDP)比5%の防衛・安全保障関連支出目標に同意したが、ホルムズ海峡への派遣問題は、トランプ大統領の不信感を改めて強める材料になったとみられる。
トランプ大統領は欧州だけでなく、日本、韓国、オーストラリアにも派遣を求めており、矛先がアジアの同盟国に向かう可能性も否定できない。これに先立ち同氏は、日本や韓国に数万人規模の米軍が駐留しているにもかかわらず、対イラン戦争で十分な支援を受けられていないと不満を漏らしていた。
一方、トランプ大統領は、イランとの戦争が終われば次の軍事作戦の標的はキューバになるとも主張した。
同氏は、私がこの強力な軍隊をつくった。使わずに済むならそれに越したことはないが、時には使わなければならない。そして次はキューバだと述べた。
西半球での影響力拡大を重視するトランプ政権は、今年1月にベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領が失脚して以降、キューバへの石油供給を断つ形で圧力を強めている。キューバ系移民2世でもある米国のマルコ・ルビオ国務長官が交渉を主導する一方、軍事作戦の可能性も継続的ににじませている。
















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