
トランプ米大統領の二人の息子が出資するドローン企業が、イランの攻撃にさらされる湾岸諸国に対し、迎撃システムの積極的な売り込みをかけていることが明らかになった。AP通信が2日(日本時間3日)に報じた。トランプ大統領自身が主導した軍事行動が生み出した利益を親族が享受しているとして、深刻な利益相反(コンフリクト・オブ・インタレスト)への批判が噴出している。
報道によると、米フロリダ州に本社を置くドローン企業「パワーUS(PowerUS)」は最近、イランによるミサイルやドローン攻撃の脅威に直面している中東諸国に対し、迎撃用ドローンシステムの営業活動を活発化させている。共同創業者のブレット・ベリコビッチ氏はAP通信に対し、「現在、中東全域で当社の迎撃システムの実演を行っている」と述べ、自社技術が実際の攻撃から人命や重要施設を保護できると主張した。
パワーUSはドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏に関連する企業で、最近6000万ドル(約93億円)の資金を確保しており、年内の株式公開を目指している。上場方式は、トランプ一族に関連する既存の上場企業「アウレウス・グリーンウェイ・ホールディングス」との逆合併方式を採用すると伝えられている。AP通信は、この取引が成立すればトランプ兄弟の保有株の価値が大幅に膨らむ可能性があると指摘している。
問題視されているのは、同社がターゲットとしている市場が、他でもないトランプ大統領の開戦決定によって安全保障上の不安定化を招いた地域であるという点だ。AP通信はパワーUSについて、「実父が開始した戦争によって需要が急増した市場」で私的な利益を追求していると分析した。実際、米国とイスラエルによる対イラン攻撃以降、イランはサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンといった湾岸諸国へのミサイル・ドローン攻撃を継続している。
これに対し、米ワシントンの政界では露骨な利益相反であるとの批判が強まっている。ブッシュ(子)政権でホワイトハウスの首席倫理弁護士を務めたリチャード・ペインター氏は「これらの中東諸国は、トランプ大統領に自国の国益を反映させるため、大統領の息子たちから製品を購入せざるを得ないという強い圧力を感じているだろう」と指摘した。また、議会の承認を経ずに開始された戦争によって大統領一族が直接的に利益を得る、極めて危うい前例になり得るとの懸念も広がっている。
パワーUSが狙うのは湾岸市場だけにとどまらない。同社は中東諸国への売り込みを強める一方で、米国防総省が11億ドル(約1700億円)を投じて推進している国内ドローン生産基盤の拡大事業からも、多額の恩恵を受ける可能性を視野に入れている。戦争が創出した海外の防衛需要と米国の国防予算拡大が、トランプ氏の子息らが関わる企業の事業機会として重なっている実態が浮き彫りになっている。















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