
欧州連合(EU)加盟国によるロシア産の液化天然ガス(LNG)輸入量が、過去最高を記録したことが明らかになった。対ロシア制裁の方針を堅持する一方で、エネルギー供給不安が再燃したことにより、逆説的にもロシアへの依存度が再び高まっている。
ドイツのベルリナー・ツァイトゥング紙は8日(現地時間)、ベルギーのシンクタンク「ブリューゲル」の報告書を引用し、EUが先月ロシアから24億6,000万立方メートルのLNGを輸入し、月間ベースで過去最大を記録したと報じた。今年第1四半期(1〜3月)のロシア産LNG輸入量も68億立方メートルに達し、前年同期(57億立方メートル)から約20%増加している。
この傾向は、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給の停滞と密接に関連している。2月末に発生した紛争の影響により、カタールなど主要産地からのLNG調達が事実上の困難に直面したため、代替供給源としてロシア産を確保する動きが強まった形だ。
懸念されるのは、EUが来年1月からロシア産LNGへの制裁を強化する方針であるにもかかわらず、輸入量が急増している点だ。ベルリナー・ツァイトゥング紙は、この実態が制裁政策の一貫性と実効性に疑問を投げかけていると指摘した。
EUは2022年2月のウクライナ侵攻以降、ロシアの戦費源を断つべく輸入先の多角化を推進してきた。しかし、昨年のロシア産天然ガスの輸入額は150億ユーロ(約2兆5,000億円)に上り、全体の13%を占めている。特にハンガリーやスロバキアなど東欧の内陸国では、依然としてロシア産パイプラインガスへの依存が続いている。
ロシア側は、世界のエネルギー市場の混乱を好機と捉え、輸出拡大を加速させている。ホルムズ海峡の緊張による価格乱高下を背景に、南アジア諸国などを対象にスポット価格から最大40%の割引を提示するなど、LNGの販路を強引に広げているとされる。
また、一部の仲介業者がLNGの原産地をオマーンやナイジェリアなどに偽装することで西側の制裁を回避している実態も報じられており、エネルギー安全保障と制裁の網をめぐる攻防が激化している。
















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