
ベネズエラ政変とトランプの「斬首作戦」発言
北朝鮮に広がる警戒、金正恩氏は武力示威へ
ドナルド・トランプ米大統領の再登板と、南米ベネズエラで起きたニコラス・マドゥロ政権の電撃的な崩壊が、朝鮮半島情勢に大きな波紋を広げている。
とりわけ、トランプ大統領が過去に北朝鮮軍を念頭に語ったとされる「斬首作戦」構想が再び注目を集め、金正恩朝鮮労働党総書記の心理的動揺が強まっているとの分析が浮上した。
国際問題を研究する趙漢範博士は10日、自身の発信チャンネルを通じ、「ベネズエラ事態とトランプ政権の予測不能性が、北朝鮮指導部に深刻な警戒感をもたらしている」と指摘した。
■「閲兵式の時に一掃してはどうか」
再浮上するトランプ発言
米メディアや元米安全保障当局者の証言により、トランプ大統領の過去の発言が再評価されている。
大統領は在任中、国家安全保障担当補佐官に対し、「北朝鮮軍が閲兵式を行う際に、軍全体を排除してはどうか」と問うたとされる。
この発言は単なる比喩ではなく、実際の軍事行動の可能性を探る趣旨だったと受け止められている。当時はマティス国防長官ら、いわゆる「大人たちの軸」が強く制止し、武力衝突の回避につながったとされる。
■第2期トランプ政権
「止める人物がいない」体制への懸念
問題視されているのは、第2期トランプ政権の人事構成だ。
過去とは異なり、大統領の突発的判断を抑制する存在は後退し、政策路線に全面的に同調する強硬派が中枢を占めているとの見方が広がる。
専門家の間では、「抑止役が見当たらない現在の体制下では、北朝鮮への軍事行動を完全に排除することはできない」との警戒が共有されている。
■マドゥロ失脚は「他人事ではない」
北朝鮮内部での情報遮断
反米左派政権の象徴だったマドゥロ氏が、米国主導の精密な作戦によって排除された事実は、北朝鮮指導部にとって強烈な衝撃となったとみられる。
金正恩総書記は最近、軍備強化の理由として「地政学的危機」と並び「国際的事変」に言及している。趙博士は、この事変が事実上、ベネズエラ政変を指すものとの見方を示した。
北朝鮮当局は、マドゥロ失脚に関する情報を国内で厳重に遮断しているとされる。最高指導者が外部勢力によって一瞬で崩れる構図が住民に知られれば、体制維持に致命的な影響を及ぼしかねないためだ。
■極超音速ミサイル発射
米国への警告と対中不満の同時表出
金正恩総書記は1月4日、韓国の李在明大統領が中国を訪問した時期に合わせ、平壌近郊から極超音速ミサイル2発を発射した。
これは米国への威嚇であると同時に、中国の習近平国家主席に対する不満の表明と受け止められている。
実際、北朝鮮の労働新聞は、習主席の新年祝辞を1面ではなく5面の片隅に掲載し、名前すら明記しない異例の扱いを見せた。
趙博士は、「習主席が金正恩氏との会談よりも、韓国大統領との接触を優先しているとの認識が、北朝鮮側の不満を増幅させている」と分析する。
■高まる不確実性
日米韓連携と中朝関係の行方
趙博士は、北朝鮮がベネズエラとは異なり、密集した防空網と大規模兵力を保持している点を踏まえ、「即時侵攻は容易ではない」としながらも、「トランプ氏の予測不能性と強硬派の結合は、金正恩氏にとって実存的脅威になっている」と指摘した。
ベネズエラ事態以降、北朝鮮の挑発水準が上昇する中、日米韓の連携とともに、変化する中朝関係を冷静に見極める局面を迎えている。
















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