
国内2位の自販機事業者であるサントリービバレッジ&フード(サントリー)が、アニメやアイドルのファン層をターゲットにしたオリジナルグッズ付き自動販売機を展開し、縮小が続く自販機事業の活性化を図っている。
全国で約34万台の自販機を展開しており、業界首位はコカ・コーラが占めている。
Nikkei Asiaによると、サントリービバレッジ&フードは東京都内で開かれた展示会で、ライブやスポーツ観戦、アニメ・音楽イベントの画像をその場でアクリルカード化できる「TAG-LIVE! CARD」の自動販売機を披露した。
「TAG-LIVE! CARD」は、利用者が登録した画像をその場でアクリルカード化するサービスだ。価格は1枚1500円で、受注後に製作する方式のため在庫を抱える必要がなく、配送コストもかからない。
同誌はサントリーが需要予測の難しいファンダム市場に商機を見いだしていると報じた。
アイドルの誕生日やアニメイベントなど、流行サイクルの短い商品は在庫リスクが大きいが、その場で製作する方式であれば、こうした負担を軽減できるという。
7月からは人気アニメ「BanG Dream!(バンドリ!)」と連携し、札幌や福岡など全国9カ所の商業施設で14台を展開する予定だ。さらに2027年までに設置台数を250台へ拡大する計画を掲げている。
サントリーはすでにファンダム市場で事業の可能性を確認している。2019年にはオリジナルラベル付きコーヒーを販売するカフェを運営したところ、利用者が自身の名前ではなく、好きなアイドルやアニメキャラクターの名前を入れるケースが目立ったという。
その後、2023年からはイベント会場で販売する飲料缶にオリジナルラベルを印刷するBtoB事業を開始した。現在は全国5000台の自販機で年間200以上のコンテンツIPとのコラボを展開している。
代表例として、K-POPグループ「Stray Kids」とコラボした限定飲料は、2か月間で21万缶を販売した。今後は関連サービスを1万台規模まで拡大するほか、ボタンを押すと好きなアーティストの音声が流れる機能の導入も計画している。
サントリーがファンダム市場の開拓に力を入れる背景には、飲料販売を中心とした国内の自販機市場の縮小がある。自販機はコンビニエンスストアやスーパーに比べて価格競争力で劣るうえ、物価高による消費低迷も重なり、販売数量の減少が続いている。
飲料総研によると、国内で稼働する自販機は2025年時点で195万台となり、2013年比で約20%減少した。関連統計の集計開始以来、初めて200万台を下回ったという。
商品補充や集金を担う人手不足も深刻化している。ポッカサッポロフード&ビバレッジは自販機事業からの撤退を進めており、ダイドーグループホールディングスも約2万台の撤去を進めている。自販機1台当たりの年間販売本数も、1996年のピーク時と比べて約6割の水準まで落ち込んでいる。














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