
ドナルド・トランプ米大統領がイラクを通じてイランに停戦を提案したものの、イラン側に拒否されたとする報道が出た。
米紙『ニューヨーク・タイムズ』は23日(現地時間)、匿名を条件に取材に応じたイランおよびイラク当局者の話として、「イランは同日、首都テヘランを訪問したイラクのアリ・アルザイディ首相を通じて、トランプ大統領から停戦提案を受け取ったが、受け入れなかった」と報じた。
米国が提案した停戦案の具体的な内容は明らかにされていない。
ただ、イランはホルムズ海峡の管理権を巡る対立が続く中、暫定的な合意には関心がないとの立場だと伝えられている。
この報道について、米国政府とイラン政府はいずれも公式なコメントを出していない。
水面下で仲介に奔走する各国
今回の報道は、トランプ大統領が13日連続でイランへの空爆を続ける中で伝えられた。全面戦争への懸念が高まる中、イラクなどの仲介国は水面下で双方に停戦案を提示しているものの、実現の兆しは見えていない。
アルザイディ首相は同日、代表団を率いてイランを訪問し、マスウード・ペゼシュキヤーン大統領、モハンマド・ガーリーバーフ国会議長、アッバース・アラーグチー外相らと会談したと伝えられている。

アラーグチー外相はイラン国営テレビで、「(仲介国の)見解や所感を共有した」と述べる一方、「問題はメッセージを伝えることではなく、非論理的で貪欲かつ支配的な米国の考え方にある」と批判した。
これに先立ち、ロイター通信は20日、匿名のイラン高官の話として、「仲介国がイランに対し、米国との10日間の停戦案を伝えた」と報じた。
この報道を巡っては、イスラエル国内で、この10日間の停戦案は米国ではなくイラン側が先に提案したものだとの見方も出ている。
イスラエル紙『エルサレム・ポスト』は21日、2人の関係者の話として、「米国とイランの10日間の停戦仲介案は、実際にはイラン側が先に提案したものだ」と報じた。その上で、「これは、トランプ大統領が全面戦争の再開を検討する中、イランが停戦をどれほど切実に望んでいるかを示している」と伝えた。
トランプ氏、外交的解決を断念か
全面戦争への懸念が高まる中、トランプ大統領が外交的解決に懐疑的な姿勢を示しているとする当局者らの話も伝えられた。
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は、最近ホワイトハウスの大統領執務室で開かれた会議で、トランプ大統領がイラン指導部に対し、「人間のクズ」「狂人ども」などの激しい表現を用いたと、会議出席者の話として報じた。

実際にトランプ大統領は同日、米ニュースサイト「アクシオス」に対し、「私は(攻撃の)決断を下す直前だ。準備はすべて整っている」と述べた上で、「大規模な攻撃を検討している。これまでのどの攻撃よりも大規模なものになる」と語った。
これについてアクシオスは、「トランプ大統領の発言は、限定的な空爆ではなく、イランとの全面戦争時に実施された「壮絶な怒り」作戦を上回る規模の攻撃を検討していることを意味する」と説明した。
戦争が5カ月目に入り、トランプ大統領に対する政治的な圧力も強まっているようだ。
WSJは、「戦争の長期化に伴い、トランプ大統領への不満も高まっている」とした上で、「11月の中間選挙を前に、ホワイトハウスの側近らは物価上昇や支持率の低下、米兵の戦死者増加などが共和党にとって重荷になることを懸念している」と伝えた。
米・イスラエルの共同作戦再開か
トランプ大統領が「大規模な攻撃」に言及する中、これまで慎重な姿勢を取ってきたイスラエルは、米国の指示を受け、大規模攻撃に向けた態勢を整えている。
トランプ大統領はアクシオスに対し、「私が要請すれば、イスラエルは2分以内に(イランへの攻撃に)加わるだろう」と述べた上で、「イスラエルがイラン攻撃に加われば、『結果を伴うことになる』」と語った。
アクシオスは、「『結果を伴うことになる』との発言は、イランによる報復の可能性を念頭に置いたものと受け止められる」と伝えた。

これに先立ち、イスラエル公共放送KANは前日、「米国は数日以内にイランへの攻撃を強化する計画で、爆撃機を投入してイランの秘密核施設を攻撃する予定だとイスラエル側に伝えた」と報じた。
実際に、停戦交渉に向けた覚書(MOU)が白紙となり、米国とイランの武力衝突が激化する中、イスラエルが再び戦争に関与するのは時間の問題だとの見方が相次いでいる。
WSJは、「トランプ大統領が現在の膠着状態を打開するため、より大規模な攻撃や作戦を開始する場合、イスラエルの支援が必要になる可能性がある」と分析した。















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