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AWS、自社初の量子チップ「オセロット」発表!量子コンピューティングの商用化5年早まるか

荒巻俊 アクセス  

世界最大のクラウド企業「アマゾンウェブサービス(AWS)」が自社初の量子チップを発表した。物理的に少ない量子ビットでエラーを訂正する「ネコ量子ビット」技術を用い、エラー訂正の効率を大幅に向上させたことが特徴だ。

これにより、量子コンピューティングの商用化時期を5年以上前倒しできるという。グーグルとマイクロソフト(MS)に続き、AWSも量子チップを発表したことから、グローバルクラウド業界の競争が量子コンピューティング分野へと移行しているとの見方が出ている。

27日(現地時間)、AWSはオスカー・ペインター教授率いるカリフォルニア工科大学(カルテック)の研究チームと共同で新量子チップ「Ocelot(オセロット)」を開発したと発表した。新量子チップは電気に振動を生成する装置「オシレーター」にちなんで命名された。

従来の量子チップと比べ、量子コンピュータの情報単位である量子ビットから生じるエラーを画期的に減らした。AWSの量子ハードウェア担当ディレクターであるペインター氏は「エラー訂正に必要な量子ビットの物理的な数を5分の1以下に削減できる」と述べ、「量子コンピュータの開発を大幅に短縮できる」としている。

研究チームは量子ビットのエラー低減に「ネコ量子ビット」技術を活用した。ネコ量子ビットは量子力学の思考実験「シュレーディンガーの猫」に由来する概念だ。同実験は、箱の中の猫が放射性物質の崩壊により、箱を開けて確認するまで「死んだ状態」と「生きている状態」を同時に持つというもの。

通常の0か1のどちらかを取る量子ビットと異なり、ネコ量子ビットは0と1を同時に持ち、重ね合わせ状態で存在している。量子ビットのエラーには「ビット反転」と「位相反転」があるが、ネコ量子ビットはビット反転よりも量子コンピュータ特有の位相反転に偏って発生するよう設計された。

前日、国際学術誌「ネイチャー」に掲載された論文によると、研究チームは従来数十個の量子ビットで訂正していたエラーを5個のネコ量子ビットのみで訂正することに成功したという。AWSはオセロットのアーキテクチャにより、量子コンピュータ部品の製造コストを最大90%削減できると自信を示している。

ペインター氏は「量子コンピュータが実用化される時期はもはや問題ではない」と述べ、「オセロットがその道程の重要な一歩となる」と語った。特に量子コンピュータの最大の課題である振動、熱、電磁波、放射線に非常に敏感であるため、新量子チップを活用すると量子ビットを安定的に動作させられるとAWSは説明している。

今回の発表はMSが自社初の量子チップ「Majorana 1(マヨラナ1)」を公開してからわずか1週間後に行われた。発表方法も「ネイチャー」誌への研究結果掲載という点で同様だった。グローバルのクラウド市場を12%占有する3位のグーグルが昨年12月に量子チップ「Willow(ウィロー)」を公開し、量子コンピューティング市場に初参入したのに続き、2位のMS(20%)に続き首位のAWS(31%)も追随した形だ。

今後、クラウド企業間の量子チップ開発競争はさらに激化すると予想される。量子コンピュータは極低温で運用され、専門的な維持・保守が必要なため、クラウドベースでの運用が主流となっている。クラウド企業は現在、Braket(AWS)、Azure Quantum(MS)、Quantum Engine(グーグル)、IBM Quantum(IBM)などのクラウドベースの量子コンピューティングサービスを提供している。

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