
マーク・カーニー首相がカナダ首相としては約8年ぶりに中国を訪問し、その背景に関心が集まっている。中国の専門家の間では、カナダが米国への過度な依存を見直す中で中国を有力な協力相手の一つと位置づけ、対米距離の調整を図っているとの見方が出ている。
中国国営の新華社などによると、カーニー首相は15日(現地時間)夜に北京に到着し、4日間の公式訪問に入ったという。昨年3月の就任後、初の中国訪問となる。中国滞在中は、習近平中国国家主席のほか李強首相、趙楽際全国人民代表大会常務委員長らと会談し、経済・貿易問題などが協議される見通しだ。
新華社は「中国とカナダの共同努力により中加関係は徐々に改善している」とし、昨年10月末に韓国・慶州で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも、両国は首脳会談を通じて関係回復と交流再開の方向性が示されたと伝えた。
こうした動きを巡り、中国では、カナダの外交戦略に変化が表れているとの見方が出ている。ドナルド・トランプ米大統領による関税政策や「米国の51番目の州」との発言を踏まえ、カナダとしては米国への経済依存を下げ、中国との貿易・投資拡大を検討する必要性が高まっていると受け止められている。
中でも、中国とのエネルギー分野での協力強化が焦点の一つとみられる。広東外国語大学カナダ研究センター研究員は中国の経済メディア「第一財経」に対し、トランプ大統領がベネズエラの石油・ガス資源の掌握に言及したことが、カナダにとって新たな課題になり得ると分析した。
仮に米国が将来的にカナダ産石油や天然ガスの輸入を減らした場合、カナダ経済への影響は避けられない。現在、カナダの原油輸出の約9割は米国向けで、エネルギー貿易の多角化が課題となっている。こうした中、中国は有力な取引相手の一つとなっている。中国は米国に次いで、カナダの第2の貿易相手国だ。
実際、中国は2024年5月に商業運転を開始したカナダのトランス・マウンテン・パイプライン(TMX)事業における主要な購入国の一つとされる。昨年1月から11月のカナダの対中原油輸出は約1億バレルに達し、液化天然ガス(LNG)の輸出量も20万トンを超えた。
王子アルバータ大学中国研究院副院長は、カーニー首相の中国訪問について「経済・貿易面の動きであると同時に政治的なシグナルでもあり、カナダ政府が国際戦略を調整していることを示している」と指摘し「中国とカナダは相互補完性が高く、協力の余地はなお大きい」との見方を示した。
一方で、両国間の貿易摩擦が緩和に向かう可能性も指摘されている。カナダ政府は2024年10月、中国製電気自動車に100%、鉄鋼・アルミ製品に25%の関税を課した。これに対し中国は昨年3月にカナダ産キャノーラ油などに100%の報復関税を導入している。
















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