
イランで続く抗議デモが流血を伴う弾圧へと発展する中、米国が軍事介入を示唆し、緊張が高まっている。
先月28日に始まったイランの抗議デモは、1979年のイスラム革命以降で最大規模とされる。治安部隊による無差別発砲などで死者が1万2,000人に達したとの人権団体の主張も出ている。
イスラム革命で退位したパフラヴィー朝最後の皇太子で、現在米国に亡命しているレザー・パフラヴィー氏は、メディアのインタビューで、米国が介入してアーヤトッラー・アリー・ハーメネイー最高指導者の排除を求めた趣旨の発言も行っている。
一方、米国がイランに軍事介入する場合、ベネズエラと比べて防空システムを突破するのは容易ではないとの分析が出ている。
最大の要因として、中国がイランに供与した地対空ミサイルなどの防空システムが、ベネズエラより高性能だという点が挙げられる。
香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」は14日、「米国がイラン指導部を狙った攻撃を行うのはより困難になる可能性がある。イランの高度な防空システムが、中国が輸出した最先端技術を統合していることが背景にある」と報じた。
米国が3日に実施した「確固たる決意」作戦では、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領がわずか3時間足らずで拘束され、その後、船舶や航空機などで米国へ移送された。
「SCMP」によると、マドゥロ大統領の運命を決定づけた要因の一つは、ロシア製の長距離地対空ミサイルS-300VMと中距離のBuk-M2Eで構成されるベネズエラの防空網が機能しなかったことだという。
この防空網は、米軍の電子戦機EA-18G「グラウラー」による空爆と電子戦で無力化された。加えて、防空レーダーがネットワーク化されていなかったことも弱点となった。
さらに、ベネズエラで数十年にわたり続いた汚職に加え、ロシアがウクライナ戦争向けの部品供給を優先したことで、レーダーの維持・整備が困難になった。これも防空網が十分に機能しなかった一因だと指摘されている。
これに対し、イランの防空網はロシア製だけでなく、中国製や自国開発のシステムも含み、より強力とされると「SCMP」は伝えた。
イランはロシア製S-300を運用する一方、この1年で大規模な技術革新を進めてきた。
イラン議会の国家安全保障委員会委員であるアボルファズル・ジョレバンド氏は昨年9月、「イランが中国製HQ-9B地対空ミサイルと、ロシアのより先進的なS-400システムを導入した」と述べた。
また、ジョレバンド氏は「ロシア製MiG-29戦闘機がイランに配備され、スホーイSu-35戦闘機もイランに向かっている」とも語った。さらに「中国のHQ-9とロシアのS-400システムも相当量がイランに供給されている」と述べた。
一部の米メディアは、中国がHQ-9Bミサイルをテヘランに供給したのは、イラン産原油との交換取引によるものだと主張している。
「SCMP」は、イランが防空システムを増強した背景には、昨年6月にイスラエルがF-35戦闘機を投入して行った12日間の空爆や、米国の戦略爆撃機および核攻撃潜水艦による攻撃に十分対応できなかったことがあると伝えた。
新型S-400に加え、中国のHQ-9Bは、米国がイランに空爆を実施した場合、要となる役割を果たす可能性が高いとみられている。
HQ-9Bは作戦半径300km、迎撃高度50kmで、固体燃料推進を採用し、マッハ4以上で飛行するとされる。
このミサイルの半能動レーダー誘導方式は、別のレーダーが目標に信号を照射し、その反射波を利用してミサイルを誘導する仕組みだ。
中国人民解放軍は約300基のHQ-9を運用しており、イランのほか、モロッコ、ウズベキスタン、トルクメニスタン、パキスタン、エジプト、アゼルバイジャンにも輸出されたとされる。
ただし、ロシアがウクライナ侵攻で使用したS-300およびS-400システムと比べ、実戦配備の経験は限られている。
イランは昨年半ばに受領したS-400について、初の実戦テストを実施した。このシステムの作戦半径は最大400kmで、HQ-9Bより長い。
さらに、イランが独自開発した長距離防空システム「ババル373」は、海外部品への依存度を下げた。
イランはババル373について、最近作戦半径300km超へと改良されたS-300の競合機種だと説明している。














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