
AI半導体メーカーのセレブラス・システムズが、わずか4カ月で企業価値を約3倍に押し上げ、「エヌビディアの対抗馬」として急速に存在感を高めている。AI半導体市場で続くエヌビディアの独走体制に変化が生じるとの期待が、投資熱を呼び込んでいるとの見方が出ている。
「ロイター通信」は4日(現地時間)、セレブラスが最近の資金調達ラウンドで10億ドル(約1,569億円)を確保し、企業価値が231億ドル(約3兆6,254億円)と評価されたと報じた。これは2025年9月時点の評価額81億ドル(約1兆2,709億円)から、約4カ月でおよそ3倍に膨らんだ計算になる。
今回の投資には、世界的なテック投資会社が結集した点でも注目が集まっている。シリコンバレーの有力投資家で、クーパンやフェイスブックの初期投資で知られるタイガー・グローバルが主導し、ウーバーやインスタグラムへの投資で知られるベンチマーク、さらにテスラやエヌビディアへの投資実績を持つコートゥ(Coatue)が参加した。
さらに、ドナルド・トランプ米大統領の長男トランプ・ジュニア氏が関与する1789キャピタルも投資家として名を連ねた。
「ロイター通信」は、今回の投資がAIチップ供給網の中核企業へ成長する可能性を持つ企業に対する投資家の高い関心を反映していると伝えた。
セレブラスが注目される背景には、独自の技術力がある。一般的な半導体企業がウエハーを分割して複数のチップを製造するのに対し、同社はウエハー全体を単一の巨大チップとして活用する「ウエハースケールエンジン(WSE)」技術を採用している。
この構造により、電力消費を抑え、データ転送の遅延を最小化できるとされる。
また、演算チップと高帯域幅メモリー(HBM)を分離しているエヌビディアやAMDとは異なり、演算機能とメモリーを単一チップに統合している点も差別化要因とみられている。
最近では、「オープンAI」がエヌビディア製チップの代替候補として、セレブラスのほかAMDやグロック(Groq)を検討しているとの報道もあり、市場の関心が一段と高まっている。実際、「オープンAI」は先月、セレブラスと100億ドル(約1兆5690億円)規模の半導体供給契約を締結した。
一度は新規株式公開(IPO)を検討しながら撤回したセレブラスは、今回の大型資金調達を受け、再び上場準備を進めているとされる。AI半導体需要が急増する中、同社の急浮上は、エヌビディア中心で形成されてきた市場構造に変化をもたらす可能性を高めている。
















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