自民党大会で「来年春までに改憲発議」 工程表を具体化
参院が焦点 首相人気頼みの改憲に限界指摘も
憲法改正を通じた「戦争可能国家」と「強い日本」の再建を前面に掲げる高市早苗首相が、来年春を改憲案発議の目標時期として正式に打ち出した。
戦後、改憲を目指した歴代首相の中でも、改憲案発議までの具体的な時間表を示したうえで推進に踏み込んだ例は少ないと受け止められている。そうした中、参議院で改憲に必要な勢力を十分に確保できていないにもかかわらず、首相が前のめりに進めようとしていることに、自民党内では戸惑いも広がっていると現地メディアは14日に報じた。
高市早苗首相は12日、東京都内のホテルで開かれた自民党大会で、憲法改正について「党の基本方針であり、時が来た」と述べたうえで、「改憲発議の見通しが立った状態で来年の党大会を迎えたい」と語った。

改憲の具体的な中身には触れなかったものの、来年春の党大会までに改憲案の輪郭を示したい考えを確認した発言とみられる。
自民党はこれまで、自衛隊の明記、緊急事態条項、参議院選挙の合区解消、教育の充実の4項目を、改憲に盛り込む柱として掲げてきた。
戦争と武力行使の永久放棄、陸海空軍その他の戦力の不保持、交戦権の否認を定め、「平和憲法」とも呼ばれる現行憲法第9条が大きく見直される可能性もある。
高市首相の側近とされる自民党の萩生田光一幹事長代行は13日の記者会見で、首相の党大会での発言について、約1年以内の発議に向けた環境整備を明示したものだとの認識を示した。そのうえで、改憲案の条文整理や各党との合意形成に向けた手続きが必要になると説明している。
ただ、2月の衆議院選挙で大勝したとはいえ、改憲という大きな目標に近づくにはなお現実的な制約が残る。このため、高市首相が改憲への圧力を強めることに対し、自民党内の負担感も強まっているようだ。
改憲案を国会で発議するには、衆議院、参議院のそれぞれで総議員の3分の2以上の賛成が必要となる。
自民党は2月の総選挙で圧勝し、衆議院では改憲案の発議が可能な310議席を上回る316議席を獲得した。一方、参議院では連立与党の議席を合わせても過半数に届いていない。
朝日新聞は参議院の議席状況に触れ、今後約1年を改憲案の国会発議までの目標期間とするのは容易ではないと分析した。これに加え、唐突な改憲推進を受け、自民党内で戸惑いが広がっていると伝えている。
日本経済新聞も、与党が参議院で過半数を確保できていない現状では、2028年の参議院選挙前に改憲案の国会採決を試みること自体が改憲の難度を高めると指摘した。かといって、参院選後まで先送りする選択肢も簡単ではないとみている。
参議院選挙は3年ごとに半数改選で行われる。2028年改選分は、自民党が2022年選挙で63議席を獲得して大勝した際の議席が対象となるためだ。
そのため、自民党内では、次の参議院選挙の結果次第では、かえって自党の議席を減らす可能性があるとの懸念も出ている。
保守系の産経新聞も、高市首相の高い人気にもかかわらず、最近行われた東京都練馬区長選挙で与党系候補が無所属の政治新人に敗れるなど、地方選挙で自民党が支援した候補の落選が相次いでいる点を取り上げた。
首相個人の人気に依存した改憲推進には限界があり得るとの見方も出ている。

こうした中、自民党が、2月の衆議院選挙で中道改革連合に加わらず独自路線を歩んだ国民民主党に対し、改憲推進での連携を呼びかけるのではないかとの見方も浮上している。
自民党の鈴木俊一幹事長は12日、党大会後に記者団に対し、「政権基盤の安定のために、連立という形でも、より多くの協力を進める考えもある」と述べた。この発言は国民民主党を念頭に置いたものではないかとの受け止めが出ている。
一方、NHKが最近実施した世論調査では、高市内閣を「支持する」との回答は61%で、前月調査より2ポイント上昇した。「支持しない」は4ポイント下がって22%だった。
















コメント0