銀河中心で超大質量ブラックホール2つの初の直接証拠を確認…100年以内に衝突か

約5億光年離れた銀河の中心部で、2つの超大質量ブラックホールが互いに公転していることを示す初の直接証拠が捉えられた。早ければ100年以内に衝突すると予測されている。
ドイツ・マックスプランク電波天文学研究所のシルケ・ブリッツェン研究員らによる国際共同研究チームは、米国の超長基線アレイ(VLBA)を使い、2011年から2023年まで銀河核「Mrk 501」を観測した83セットのデータを分析した結果を、国際学術誌『王立天文学会月報』に先月27日(現地時間)付で発表した。
超大質量ブラックホールは、太陽質量の数百万~数百億倍に達する巨大なブラックホールで、ほとんどの銀河の中心に1つずつ存在する。2つの銀河が衝突して合体する際には、それぞれの銀河中心にあるブラックホールも互いに引き寄せられながら徐々に接近し、最終的に1つに合体する。
ブラックホールの衝突によって重力波が発生することはすでに確認されているが、規模がはるかに大きい超大質量ブラックホールのペアが合体する瞬間の重力波は、これまで直接検出されたことがない。合体直前の連星超大質量ブラックホールが捉えられた例もない。
研究チームが注目した天体は、地球から約5億光年離れた「Mrk 501」と呼ばれるブレーザーだ。ブレーザーは、巨大ブラックホールが周囲の物質を飲み込みながら強力なエネルギーをジェット(物質放出の流れ)の形で地球方向に放出する活動銀河核で、ジェットが地球の方向を向いているため特に明るく観測される。
Mrk 501は、ブラックホール近傍で観測されるジェットの方向と、数千光年離れた場所で観測されるジェットの方向が大きくずれていることから、中心部に2つのブラックホールが存在するのではないかと考えられてきた天体だ。
研究チームは23年分の電波観測データを解析した。当初は特別な動きは確認できなかったが、より高い周波数でブラックホールに近い領域を調べたところ、従来のジェットとは全く異なる方向から第2の信号が検出された。研究チームは、この第2の信号が第2のブラックホールから伸びるジェットだと結論づけた。
2つのジェットの明るさは約121日周期で同時に変動していた。研究チームは、2つのブラックホールが互いに121日周期で公転しているため、明るさも同期して変化していると解釈した。各ブラックホールの質量は太陽の最大10億倍に達すると推定された。衝突が近い場合、今後10年以内に公転周期が徐々に短くなる様子を観測により直接確認できる可能性がある。
2つのブラックホールが衝突すれば、時空を揺るがす巨大な重力波が発生すると予測されている。重力波は、高速で回転しながら規則的な電波信号を放つ天体「パルサー」を数十個同時に観測し、その信号の微細な変化を測定する方法で検出を試みられる。衝突前に2つのブラックホールが公転しながら放出する重力波も、すでに発生している可能性がある。
一方で、慎重な見方を示す専門家もいる。米コロンビア大学のゾルタン・ハイマン研究員は「非常に複雑な観測であり、現時点では候補段階として見るべきだ」と述べた。宇宙望遠鏡科学研究所のダニエル・ドラジオ研究員は「合体直前の連星ブラックホールを発見したのだとすれば、われわれが非常に幸運だったか、こうした系が予想よりはるかに多いことを意味する」とした上で、「だとすれば、なぜこれまでより多くの証拠が見つかっていないのか説明が必要だ」と指摘した。














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