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トランプ氏と会談した習近平氏、プーチン氏と「米国の攻撃は違法」…日本の再軍備も標的に

織田昌大 アクセス  

習主席、プーチン大統領と対米批判…日本の再軍備にも言及

出典:EPA通信
出典:EPA通信

中国の習近平国家主席はウラジーミル・プーチン露大統領と共に米国を強く牽制した。ドナルド・トランプ米大統領との会談を受けて米中関係改善への期待も出ていたが、その直後に発表した中露共同声明では日本と米国への安全保障上の批判を前面に打ち出した。

両首脳は米国とイスラエルによるイラン攻撃について「国際法違反」と断規定した。また、日本の再軍備やミサイル配備問題にも言及し、米国主導の安全保障秩序に対抗する姿勢を鮮明にした。

習主席とプーチン大統領は20日に署名した中露共同声明で「米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃は国際法と国際関係の基本原則に違反する」とし、こうした攻撃が中東情勢の安定を深刻に損なっていると非難した。

また、戦闘当事国に対し早期に対話と交渉へ復帰するよう求める一方、戦争の長期化や地域外への拡大を防ぐ必要があるとして、国際社会に「客観的かつ公正な立場」を維持するよう訴えた。

トランプ大統領との会談後も対米姿勢鮮明

引用:タス通信
引用:タス通信

今回の共同声明で目立ったのは、イランの核問題やホルムズ海峡封鎖問題を扱わなかった点だ。

これに先立ち、米ホワイトハウスは米中首脳会談後、トランプ大統領と習主席が「イランは核兵器を保有すべきではない」との認識で一致し、ホルムズ海峡の航行再開を支持したと発表していた。

しかし、中露共同声明ではこうした内容には触れず、むしろ米国とイスラエルの軍事行動への批判に重点を置いた。

習主席はトランプ大統領との対話を進める一方で、プーチン大統領との共同声明では従来の対米強硬路線を改めて鮮明にした形だ。米国が中東問題への対応と対中圧力、対ロシア圧力を同時に強める中、中国とロシアは戦略的連携を再確認したとみられる。

共同声明では米国を名指しこそしなかったものの「一部国家が覇権主義や新植民地主義的思考を信奉している」とし「侵略的政策が国際競争を激化させ、国際情勢の緊張を高めている」と批判した。

さらに「他国の主権を侵害し、経済や科学技術の発展を抑圧している」とも指摘しており、米国の対外政策や対中技術規制を念頭に置いた発言と受け止められている。

米ミサイル防衛と日本の再軍備も批判

引用:KBS
引用:KBS

中露首脳は核安全保障やミサイル配備問題でも米国と日本を牽制した。

共同声明では「一部核保有国による他の核保有国への挑発的・敵対的行為に反対する」と表明した。さらに、一部核保有国が「絶対的な安全保障と軍事的優位」を追求し、他の核保有国周辺に攻撃・防衛兵器や軍事インフラを配備していると主張した。米国のミサイル防衛網やインド太平洋地域への軍事展開を念頭に置いた内容とみられる。

米国の多層型ミサイル防衛構想ゴールデン・ドームについても「戦略的安定を損なう」として批判した。

日本に対する批判も強かった。共同声明では日本が「再軍備を加速させ、地域の平和と安定を深刻に脅かしている」と指摘した。また、日本が機微な核物質を長期間にわたり大量保有していることに懸念を示した。

さらに、日本国内の右派勢力が「非核三原則」の改定を推進しているとも指摘した。米国との「核共有」や拡大抑止の強化、さらには独自核保有の可能性にも言及し、日本政府に対して核拡散防止条約(NPT)など国際的義務を順守するよう求めた。

ウクライナ戦争についても、中国はロシア側の立場を支持した。共同声明では「ウクライナ危機の根本原因を取り除き、共同安全保障と恒久的平和の枠組みを構築すべき」と主張した。

ロシアはこれまで、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟推進を戦争の根本原因と位置付けており、中国もNATOの東方拡大がロシアの安全保障上の懸念を高めたとの立場を示してきた。

今回の共同声明はイラン攻撃、ウクライナ戦争、日本の再軍備、米国のミサイル防衛網を一体の安全保障問題として結び付けた形となった。トランプ大統領と習主席の首脳接触が一時的に米中関係改善の兆しとも受け止められた一方、習主席は直後にプーチン大統領と連携し、米国主導の国際秩序への対抗姿勢を改めて鮮明にした。

中東、欧州、インド太平洋を巡る対立は米中露の戦略競争と結び付きながら拡大している。

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