
米国を訪れる外国人観光客数が、新型コロナウイルス禍以降初めて減少に転じ、米観光産業と経済全体に警戒感が広がっている。特に減少幅は、2008年の世界金融危機当時を上回る水準となったとCNNは報じた。25日(現地時間)、米観光業界や旅行データ分析会社によると、2024年に約7,240万人だった訪米外国人観光客数は、2025年には約6,840万人となり、約400万人の減少になったと推定されている。これに伴う観光支出減少額は、少なくとも84億ドル(約1兆3,400億円)に達すると推計された。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、今年、世界全体の国際旅行者数が8,000万人増加した一方、米国だけが逆行したと指摘した。観光データ分析会社は、米観光産業が従来の成長傾向を維持していた場合と比較すると、実際の損失規模は最大250億ドル(約3兆9,800億円)に達する可能性があると分析した。
観光客減少の主因としては、ドナルド・トランプ米大統領による強硬な外交・移民政策や、戦争関連発言などが挙げられている。外国人旅行者の間では、「米国は分断され、不安定な国家だ」との認識が広がっているとの指摘も出ている。CNNの主席国家安全保障アナリストであり、ハーバード大学ケネディスクール国土安全保障プロジェクト責任者のジュリエット・カイエム氏は、「かつて米国は世界が模範としたい国だったが、今ではそのイメージが失われつつある」と語った。さらに、「米国のソフトパワーは弱体化しており、海外では『機能不全の政府』『ICE(移民税関捜査局)による強制捜査』『犯罪と暴力が蔓延する国』として認識されている」と分析した。
特に、カナダ人観光客の離脱傾向が目立っている。最近の携帯電話位置情報分析によると、カナダ人による米主要都市訪問は最大42%減少した。カナダ・オンタリオ州在住のジョン・スチュワート氏は、35年間毎年参加してきた米インディアナポリス自動車レース「インディ500」訪問を今年取りやめた。同氏は、米国の関税政策や、「カナダを米国の51番目の州に編入する」としたトランプ大統領の発言、イラン戦争などを理由に、「米国で休暇を過ごしたくない」と述べている。
米国内観光業界も直撃を受けている。米シアトルで無料ウォーキングツアー事業を運営するジョー・コーネン氏は、「広告費を増やしたが、予約数は昨年よりさらに減った」と明かした。カリフォルニア州サンタモニカで観光業を営むアダム・デュフォード氏は、昨年従業員7人全員を解雇した。同氏は、「2025年の売上は前年の半分にも届かなかった。外国人観光客減少が大きな打撃となった」と吐露した。フロリダ州も海外観光客減少の直接的影響を受けている。ウォルト・ディズニー・ワールドを運営するウォルト・ディズニー・カンパニーは最近の決算発表で、外国人訪問客減少によって、米国内テーマパーク来場者数とホテル稼働率が低下したと明らかにした。
専門家らは、米国の国際的イメージ悪化が、経済問題を超えて外交力にも影響を及ぼしかねないと懸念している。観光業界関係者のアダム・サックス氏は、米政府が観光プロモーションを強化する一方、同盟国との対立を深めるメッセージは減らすべきだと指摘した。同氏は、「米国は歴史的に旅行分野で貿易黒字を維持してきたが、今年はそうならないだろう」と述べた。さらに、「現在は米国人による海外消費額の方が、外国人による米国内消費額を上回っている」と語った。米観光庁は、訪米外国人観光客数がコロナ禍前水準を完全回復する時期について、2029年以降になる可能性があるとの見通しを示した。















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