
米国とイランの衝突再開を受け、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を通るエネルギー輸送への懸念が再び高まっている。
8日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、海上リスクを評価する多国籍機関の共同海事情報センター(JMIC)は同日、ホルムズ海峡を航行する船舶に対する危険度を従来の「かなり高い」から「深刻」に引き上げた。JMICの海上脅威レベルは、「低い」「普通」「かなり高い」「深刻」「危機」の5段階に分類されている。
JMICによる警戒レベルの引き上げは、ホルムズ海峡周辺で船舶3隻が相次いで攻撃を受けた直後に発表された。海運業界では、今回の一連の攻撃について、停戦後のホルムズ海峡で発生した事案としては最も深刻なケースとの見方が出ている。
国連傘下の国際海事機関(IMO)によると、攻撃を受けた船舶のうち1隻は、カタール船籍の液化天然ガス(LNG)運搬船「アル・レカヤット」号で、オマーン沖で攻撃を受けた。
英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は、オマーン沖で船舶1隻が正体不明の飛翔体の直撃を受けて火災が発生したほか、別のタンカーは飛翔体による攻撃で船体が損傷し、さらに別の1隻もドローン攻撃を受けたと発表した。
これを受け、カタールは「国際的な海上航行の安全と治安に対する容認できない攻撃だ」と非難した。サウジアラビアも、自国のタンカーが攻撃を受けたことに言及したうえで、イランを強く批判した。
イランによる攻撃を受け、米中央軍は「イランが国際水域で無実の民間人を乗せた商船を標的に攻撃した」とし、「これに対する対応として、イランへの空爆を開始した」と明らかにした。中央軍は、精密誘導兵器を使用し、イランの防空システムや指揮統制網、沿岸レーダー施設、対艦ミサイル部隊のほか、ホルムズ海峡とその周辺に展開するイスラム革命防衛隊(IRGC)の小型艇60隻以上を攻撃したと説明した。
米国は空爆開始の約2時間前、イラン産原油の販売を認めていた制裁免除措置も撤回した。米財務省外国資産管理局(OFAC)は、先月21日に発効したイラン産原油や石油、石油化学製品の取引を認める措置について、この日付で廃止すると発表した。
米国は、イランとの終戦合意に関する覚書(MOU)を巡る初の後続協議をスイスで行った直後、イラン産原油の生産や引き渡し、販売を60日間全面的に認めることを決定した。さらに、米ドル建て決済も認めたことから、異例の措置と受け止められていた。
双方の軍事衝突が激化すれば、ホルムズ海峡を通過する原油やLNGの輸送は大きな打撃を受けることが避けられない。
停戦合意後、先月末から一時回復の兆しを見せていたホルムズ海峡の通航量も、イランによる船舶への脅威が続いていることを受け、再び減少に転じている。戦闘前は1日100隻以上の船舶がホルムズ海峡を通航していたが、6日時点では36隻にとどまった。このうち、米海軍の支援を受けてオマーン側の航路を航行した船舶は3隻だった。
イランは、自国領海の通航は認める一方、対岸のオマーン領海を航行してはならないとの立場を示している。戦闘前には船舶の多くが海峡中央部の航路を利用していたが、現在はイラン軍が設置した機雷の危険を避けるため、この海域を回避している。
船舶の通航量の減少と軍事的緊張の高まりは、国際エネルギー市場にも影響を及ぼしている。北海ブレント原油先物価格は、米国が対イラン制裁を再開するとの報道を受けて上昇し、一時は1バレル=76ドル(約1万2,400円)まで値を上げた。














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