
ロシアの首都であるモスクワも、ウクライナのドローン攻撃の標的となった。
同日、モスクワ・タイムズによると、この日行われたウクライナ軍による大規模なドローン攻撃で、モスクワ州で少なくとも3人が死亡し、3人が負傷した。
ロシア・モスクワ州のアンドレイ・ボロビヨフ知事は声明で「モスクワ郊外のイストラ地域のピオネルスキーにドローンが墜落し、3人が死亡、3人が負傷した」と述べた。
また、ロシアのモスクワ市長であるセルゲイ・ソビャーニン氏は、モスクワと周辺地域で計350機のドローンが確認されたと伝えた。
モスクワ北西部のソルネチノゴルスクでは、ウクライナのドローンが住宅ビルに衝突する瞬間が防犯カメラに捉えられた。
ウクライナのドローン攻撃、モスクワで少なくとも6人が死傷
ロシアの後方にあるエネルギーインフラも攻撃を受けた。キーウインディペンデントは、ロシア南部のスタヴロポリにあるルクオイル系列の貯油施設が、ウクライナのドローン攻撃を受けて爆発したと伝えた。ウクライナは9日にも、スタヴロポリの石油備蓄基地とトヴェリ州の燃料施設を攻撃している。
アゾフ海でもウクライナのドローンがタンカーやバルク船など、ロシアの船舶数十隻を攻撃し、ロシアはドン=アゾフ運河の船舶運航を中止し、ケルチ海峡の通航も制限するなど対応に乗り出した。
数千万円の巡航ミサイルではなく、数十万円のドローンがもたらした変化だ。
ロシアの後方が繰り返し突破される背景には、単純なドローンの物量攻勢だけでない。ウクライナはドローンを独立戦力として育成し、調達と開発、生産、実戦運用を一つの循環構造でつなげている。実戦で蓄積された戦術と技術はすぐに次の生産分に反映され、改良型は再び戦場に投入される。
ウクライナ、「独立戦力」としてドローン運用
ウクライナはFPV自爆ドローンと中距離攻撃ドローン、長距離一方向攻撃ドローン、さらに無人水上艇(USV)をそれぞれの任務に応じて分化・運用している。
そこに衛星情報とリアルタイム映像、シギント(信号情報)、AI基盤の映像認識アルゴリズムを組み合わせて、ロシア後方の精製施設や石油パイプライン、鉄道、橋、タンカーなど深部標的を持続的に攻撃している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が最近、長距離攻撃専任司令部の設置を承認したのも長距離攻撃資産を、単一の指揮体系下に統合するための措置と解釈される。
AIが標的を識別…人間は攻撃承認
ウクライナはドローン自体の自律性と生存性も急速に高めている。
一部の自律ドローンは道路をパトロールし、燃料トラックや軍用車両を探知する。AI基盤の映像認識アルゴリズムが標的を識別すると、運用者が最終的な攻撃のみを承認する方式だ。GPSと通信が妨害された環境でも自律標的獲得能力を維持するよう設計された機体も増えている。
ロシアもAI誘導方式の「モルニヤ(Molniya)」ドローンを運用しているが、ウクライナの短い改良サイクルに追いつくのは容易でないとの評価が出ている。
戦果がすぐに予算に…「eポイント」制度
ウクライナのドローン戦力のもう一つの特徴は、戦闘成果がすぐに武器調達につながる点だ。
ウクライナはロシアの兵力と装備を撃破した実績に応じて、前線部隊に「eポイント」を支給する。各部隊はこれを戦場管理システム「DELTA」を通じて予算のように活用し、必要なドローンや電子戦装備を製造業者と直接契約して調達する。戦果が多いほど最新の装備をより早く確保できる仕組みだ。
また、調達サイクルも短い。新たな要求が提起されると、短ければ4か月、長くても1年以内に改良型が野戦部隊に配備される。既存の武器調達手続きが数年かかる国々と対照的だ。
欧州との共同生産…生産基盤拡大
ドローンの開発と生産は欧州の防衛産業界との協力を通じてさらに拡大している。
ドイツの防衛スタートアップであるヘルシングは、AI攻撃ドローンHX-2を月1,000機以上生産している。
ウクライナとドイツは最近無人機共同生産プロジェクト(BARS)を推進することに決め、フランスもウクライナのドローン開発支援プログラム「ブレイブ・フランス」を立ち上げた。
改良サイクル短縮…戦場経験が資産に
共同開発と生産基盤の拡大はウクライナのドローンの改良速度をさらに引き上げている。
ウクライナ軍は実戦データを製造業者に伝え、業者はこれを反映してソフトウェアや部品を修正した後、改良型を再び野戦部隊に供給する。このプロセスは数か月単位で繰り返される。
実戦では機体性能よりもいかに早く改良型を再び戦場に投入できるかが戦力の差を左右する要素となっているとの分析が出ている。















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