「AIを使える社員には月15万円」ホンダが始めた“AI手当”に不公平の声

社員の人工知能(AI)活用能力を処遇に反映する制度が、大企業の間で広がっている。
日本経済新聞は12日、モビリティ企業ホンダをはじめとする大企業が、AIを業務で使いこなす社員に追加手当を支給していると報じた。企業は、海外と比べて遅れているAIの業務活用を促進するため、報酬制度の導入や拡充を進めている。
ホンダは、AI活用能力を持つ社員を3段階で認定し、追加手当を支給している。手当は月額最大15万円に上る。今月時点で手当の支給対象となっている社員は280人で、月15万円を受け取る最高ランクの認定者は10人だ。ホンダは、この制度を通じて社内でのAI活用を促進し、手当の支給対象者を数年以内に1,000人まで増やす計画だとしている。
人事評価にAI活用能力を反映する企業も現れている。ファミリーマートは今年4月から、全社員を対象に、AI活用計画を人事評価の目標設定に盛り込むよう求めている。社員が立てた計画に基づく成果を、人事評価に反映する仕組みだ。ファミリーマートは、「組織全体でAI活用を促進する体制を構築したい」と説明している。社内の事務局が各部門のAI活用を支援し、AI活用に精通した社員は、他の社員からの相談に応じる役割も担う。
一方、部署ごとの事情を考慮せず、一律にAI活用を求めるのは適切ではないとの指摘もある。業務内容によって、AI活用の難易度が異なるためだ。民間研究機関「リクルートワークス研究所」の知野翔平研究員は、「AIスキルを学べる環境が均等に整っていない場合も多い」とし、「(一律に求めることは)不公平だとの指摘が出る可能性がある」と述べた。
また、手当を受け取るために成果を誇張するケースが出る可能性も指摘されている。米プラットフォーム企業アマゾン・ドット・コムは、社員のAI利用状況を順位付けする制度を中止した。一部の社員が、必要のない業務でもAIエージェントを利用していたことが確認されたためだ。このような問題を防ぐため、米企業セールスフォースは今年2月に実質的な貢献度を追跡する指標を導入した。
日本は、他国に比べてAIの活用頻度が低い。米マイクロソフトが今年5月に発表した調査によると、世界の生成AI普及率で日本は22.5%となり、48位にとどまった。こうした状況を改善するため、AI活用を人事評価に反映する制度が導入されているものの、今年3月時点で、この制度を実施している企業は10%にも満たなかった。今後は関連制度を強化し、AI活用をさらに促進していく見通しだ。
















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