「福祉は充実、戦争は米国任せ」...ライス氏が暴いた同盟国の“おいしいとこ取り”
アスペン安全保障フォーラム開幕、世界のオピニオンリーダーが集結
「米軍基地の使用拒否」NATO加盟国を批判

米国のコンドリーザ・ライス元国務長官は14日、「米国の防衛に依存しながら立派な空港を建設し、社会福祉制度を整備している同盟国は、米国内で何が起きているのかを正しく理解していない」と述べた。その上で、「米国は今や、単独で軍事的負担を背負うことに疲れている。世界は変わった。同盟国もその事実を認めなければならない」と強調している。
ブッシュ政権で黒人女性として初めて国務長官を務め、対北朝鮮強硬派として「鉄の女」の異名を持つライス元国務長官は同日、米コロラド州アスペンで開幕した「アスペン安全保障フォーラム(ASF)」に出席した。ライス元国務長官は「大西洋とアジア太平洋地域の同盟関係を強く支持しているが、世界は変わった」と語っている。
第1次トランプ政権のマーク・エスパー元国防長官も、「トランプ大統領は、国家債務や学生ローン、生活費の負担などを巡り、『もう本当にうんざりだ』という国民の声を的確に捉えた」と指摘した。さらに、「他国が自国の福祉向上だけに力を注ぎ、現在の状況がいつまでも続くと期待するのであれば、我々が世界の安全保障を支え続けることはできない」と訴えた。
ドナルド・トランプ米大統領は再び政権を握った後、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、国防費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるよう圧力をかけている。エスパー元国防長官は、バラク・オバマ元米大統領も2014年のNATO首脳会議で最低基準の順守を求め、「ただ乗りする国」という表現を使ったと説明した。
トランプ大統領が開始した対イラン軍事作戦を巡り、欧州各国が部隊派遣の要請を拒否しただけでなく、作戦そのものを批判したことも議題に上った。ライス元国務長官は「同盟関係を大切に思っているが、米国が戦っている最中に『これは我々の戦争ではない』と言うのは賢明ではない」と述べている。
ライス元国務長官は「たとえ戦争に参加しなくても、米国の取り組みを妨げようとしてはならず、むしろ後押しすべきだ」と続けた。また、「米国なしでも我々はやっていける」とする一部の首脳の主張が、対外問題から手を引くよう訴えてきた米国内の孤立主義者に格好の材料を与えかねないとの懸念も示している。
エスパー元国防長官も、スペインやイタリアなどが米軍基地の使用を拒否したことに触れ、「我々は単に米軍基地を使用させてほしいと求めただけだった。拒否したのは実に愚かな判断だった」と批判した。
同日開幕したアスペン安全保障フォーラムには、世界各国のオピニオンリーダー約1,000人が参加しており、17日までの4日間にわたって開かれる。
民主党政権で政府高官を務め、「ソフトパワー」を提唱したハーバード大学の故ジョセフ・ナイ教授と、共和党政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたブレント・スコウクロフト元米大統領補佐官らは1984年、超党派で外交・安全保障問題を議論する「アスペン戦略グループ(ASG)」を設立した。2010年からは、一般に公開するイベント形式のアスペン安全保障フォーラムを始めている。
フォーラムの共同議長を務めるニコラス・バーンズ前駐中国米大使は開会のあいさつで、「我々は皆、確固たる意見を持ってここに来ており、それぞれの考えに基づいて意見を述べる。しかし、他者の話に耳を傾ければ何かを学べるかもしれず、考えを変えることも悪いことではない」というナイ教授の言葉を引用した。
ライス元国務長官とエスパー元国防長官とは対照的に、バーンズ前大使は「NATOのような同盟がなければ、米国は今ごろどうなっていただろうか」と語った。
☞アスペン研究所(Aspen Institute)
米国の実業家ウォルター・ペプケ氏が1949年、コロラド州アスペンに設立した非営利団体である。シカゴ出身のペプケ氏がアスペンの自然景観に感銘を受け、世界の指導者たちが日常を離れて議論を交わす場をつくる構想を抱いたことに始まった。
運営目的として、「対話とリーダーシップを通じて、米国と世界が直面する最も重要な課題の解決を目指す」と掲げている。政治的対立の構図から一歩距離を置き、多様な人々が集まって議論できる場を設ける超党派の主催者を目指す。
経済、教育、環境など30余りの分野で、それぞれのプログラムが独立して運営されている。2010年からは毎年、世界各国の外交・安全保障専門家が国内外の問題について議論する「アスペン安全保障フォーラム」を開催している。















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