
ロシア軍の高官が意図的に自身を銃撃した後、報償金を不正に受け取った疑いで起訴され、衝撃が広がっている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は19日(現地時間)、ロシア第83独立空中襲撃旅団所属のコンスタンチン・フロロフ中佐が部下らと共謀し、戦闘負傷報償金を不正受給した疑いで起訴されたと報じた。
「処刑人」というコードネームで知られるフロロフ中佐は、ロシア国防省の広報映像で、勲章4つを胸に付けて「ロシアの勝利まで休まない」と誓う宣伝モデルとして登場した。彼は番組に出演し、戦場での負傷を誇示し、英雄として称賛されていた。
しかし、ロシア連邦捜査委員会は彼の傷が戦闘中のものではなく、自傷行為によるものだと結論づけた。この詐欺には他の指揮官1名と30人以上の兵士、さらには軍医らも関与していたとされる。
彼らはこの手口で総額2億ルーブル(約4億円)に上る軍資金を横領した疑いがかけられている。
現在、詐欺・収賄・武器密売などの容疑で軍事裁判にかけられているフロロフ中佐は、減刑を目的に一部の容疑を認める「司法取引」を結んでいる。
彼はNYTのインタビューで報償金横領の共謀事実は認めたものの、自傷ではなく「記録の改ざん」によるものだったと主張し、調査委員会の発表に反論した。
また、自身が軍上層部の無能さを批判し、いわゆる「ミートグラインダー」と呼ばれる無謀な突撃作戦を告発したため、報復的な捜査を受けていると主張した。さらに法廷で「1年中私を英雄と呼んでいた祖国が、今は私を檻に閉じ込めている」と訴えた。
特にフロロフ中佐はSNSを通じて豪華なリゾート地やパーティーを楽しむ様子を公開していたため、さらに国民の批判を浴びた。

この事件は単なる個人の逸脱を超え、ロシア軍内部に根深い腐敗構造があることを示している。フロロフ中佐の上官だったアルテム・ゴロディロフ大佐も大規模な詐欺容疑で別途裁判を受けている。
現地兵士らの証言によると、指揮官らが休暇を与える見返りに負傷を誇張するよう勧め、報償金の一部を上納させる行為が公然と行われているという。ある兵士は「金がすべてを決める」と述べ、「誰かにとって戦争は巨大なビジネスだ」と暴露した。
プーチン大統領は2024年11月、軍人が重傷を負った場合300万ルーブル(約600万円)、軽傷の場合100万ルーブル(約200万円)の報償金を支給する法令に署名している。
ロシア当局は過去2年間で少なくとも12人の高位軍関係者と数十人の将校を汚職容疑で起訴した。ロシア国民の間では、聖域なき汚職撲滅を求める声が高まっている。
フロロフ中佐は来月、軍事裁判所で最終判決を受ける予定だ。













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