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「トランプ、これは知らなかっただろ?」背後を突かれた…米のホルムズ逆封鎖が”通用しない”理由

荒巻俊 アクセス  

トランプ大統領の盲点 ホルムズ封じをすり抜けるカスピ海ルート

引用:Daum
引用:Daum

ホルムズ海峡を巡って米国とイランの「二重封鎖」が続く中、イランがカスピ海を新たな戦略物流ルートとして活用しているとの分析が出ている。

米ニューヨーク・タイムズは8日、関係者の話として、ホルムズ海峡が米軍の封鎖で遮断されたことを受け、ロシアがカスピ海を代替航路として使い、イランに物資を供給していると報じた。

匿名の関係者は、ロシアがカスピ海ルートを通じてイランにドローン部品を送っており、それがイランの軍事力再建を支えていると明らかにした。

カスピ海はイラン北部に位置する内陸水域で、イラン、ロシア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、カザフスタンの5か国に囲まれている。

米国は、2か月以上に及ぶ戦争の最中でもイランが兵器備蓄を立て直し、圧力に耐えている背景として、このカスピ海ルートに注目している。米当局者はニューヨーク・タイムズに対し、ロシアからの輸送が現在のペースで続けば、最近の戦争で約60%を失ったイランのドローン戦力は急速に補充されるとの見方を示した。

パリ政治学院のニコル・グラジェフスキー氏もニューヨーク・タイムズに対し、カスピ海は制裁を回避しながら軍需物資を移動させるうえで最も理想的な空間だと指摘している。

同紙はさらに、イランが現在、カスピ海沿岸の4港を24時間体制で稼働させ、小麦、トウモロコシ、ヒマワリ油などの必需食料を大量に輸入していると伝えた。あわせて、イランもウクライナ戦争勃発後、カスピ海経由でロシアに弾薬を供給したことがあると報じている。

イスラエルも意識するカスピ海

イスラエルもこのカスピ海ルートを強く警戒してきた。イランがロシアからカスピ海経由で軍需物資を受け取っている点を踏まえ、現地のイラン海軍基地を電撃的に攻撃したためだ。

先月中旬、イスラエルはカスピ海沿岸のバンダレ・アンザリー港にあるイラン海軍基地を攻撃した。これは、イスラエルが世界最大の内陸水域であるカスピ海を攻撃した初の事例とされている。

引用:イスラエル国防省
引用:イスラエル国防省

カスピ海沿岸にあるバンダレ・アンザリー港は、イランとカスピ海を結ぶ最重要拠点の一つに数えられる。穀物や木材など多様な物流を担うだけでなく、ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャンとの海上貿易でも中核的な役割を果たしてきた。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、当時イスラエルが標的にしたのは、ロシアとイランがドローン、弾薬、石油などの戦時物資をやり取りしてきた約600マイル(約965キロ)の輸送ルートだった。

専門家の間では、イスラエルがイラン製シャヘド・ドローンの主要供給網を断つため、カスピ海沿岸のイラン海軍基地をたたいたとの見方が広がっている。

先月28日の開戦以降、イランがドローンなどの兵站不足に直面すると、ロシアはイラン製シャヘド・ドローンの改良型である「ゲラン2」などを逆にイランへ供給した。イスラエルは、こうした主要戦争物資の流入を阻止する狙いから空爆に踏み切ったとみられる。

米軍も入れないカスピ海

カスピ海は、イランが米国のドナルド・トランプ大統領による終戦圧力を受けながらも、時間を稼ぐことができた背景としても挙げられている。

この海域は、米国の軍事力が及びにくい数少ない空間としても知られる。外洋と直接つながっていない内陸水域であるため、軍艦の展開が事実上難しいからである。

引用:UPI 通信
引用:UPI 通信

さらに、カスピ海は2018年にイラン、ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、トルクメニスタンの5か国が締結したカスピ海法的地位条約により、非沿岸国である米国などの軍隊は駐留できない。沿岸5か国が、物理的にも法的にも米軍の進入を遮る構図になっている。

何より、カスピ海は現在、米国が強い制裁を科しているロシアが大きな軍事的影響力を持つ海域でもある。イランとロシアはこのルートを通じて国際制裁をかいくぐり、緊密な軍事協力を続けてきた。米軍でさえ容易に手を出せないカスピ海が、トランプ大統領の構想の裏をかいたとの評価が出ているのも、そのためだ。

ハドソン研究所のルーク・コフィー上級研究員はニューヨーク・タイムズに対し、カスピ海沿岸国を担当地域とする米軍司令部がそれぞれ分散している点に触れたうえで、米当局者にとってカスピ海は地政学的なブラックホールのような存在であり、まるで存在しない場所のように扱われていると述べた。

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