独紙、プーチン大統領の訪中を酷評「対中ガス交渉で窮地」

台湾中央通信は24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による最近の中国訪問について、天然ガスを安値でも売却せざるを得ない「窮地に追い込まれた訪問」だったとするドイツメディアの報道を伝えた。
中央通信が引用した独紙ディー・ターゲスツァイトゥングの報道によると、プーチン大統領は19〜20日の中国訪問で中国側に対し異例の天然ガス値引き案を提示したという。
しかし、中国側はさらに大幅な値下げを要求し、ロシア側に強い圧力をかけた結果、プーチン大統領はこれを受け入れざるを得なかったと同紙は報じた。
ディー・ターゲスツァイトゥング紙は「物乞いの旅」と題した記事で、プーチン政権はウクライナ侵攻に伴う経済制裁で深刻な経済的苦境に直面し、自らを「中国の足かせ」に縛り付ける状況を招いたと分析した。
ロシアは天然ガス販売に加え、インフラ事業の資金確保でも中国に多額の支援を求めているという。
特に先端機器やドローン分野ではロシアの中国依存が顕著で、輸入品の36%を中国製が占めているとされる。
ディー・ターゲスツァイトゥン紙は、中国の習近平国家主席が中露関係について「揺るぎない友好関係」を強調しているものの、実態としてプーチン大統領は中国の影響力から抜け出せない状況にあると指摘した。
中国製の乗用車やトラック、バスはすでにロシアの新車市場を席巻し、ロシア国内の自動車産業は大きな打撃を受けているという。こうした状況についてディー・ターゲスツァイトゥン紙は、中露が掲げる「経済協力の深化」の実態を象徴していると論じた。
また、中国が部品供給の削減を示唆すれば、ロシアはウクライナでの軍事作戦継続が困難になる可能性があり、その見返りとして中国がロシア国内価格での天然ガス供給を求めるとの見方を示した。
ディー・ターゲスツァイトゥン紙はさらに、中国人のロシア極東地域への流入が増加しているとも指摘した。評論家の間では、習主席がかつて毛沢東時代に強力なライバルだったロシアを中国の「従属国」に変えつつあるとの見方が出ていると伝えた。
別の分析記事「プーチンの失敗」では、ロシアが重視する「シベリアの力2」ガスパイプライン計画について、今回の首脳会談でも建設契約締結に至らなかった点を挙げた。
ウクライナ戦争と欧米の制裁によってロシアの対中依存は一段と深まり、中国側はロシアを「一地方」のように扱い、ロシア産天然ガスについてロシア国内価格と同水準の価格を求めているという。
ディー・ターゲスツァイトゥン紙によると、ロシア国内での天然ガス価格は1,000立方メートル当たり約50ドル(約7,900円)だという。
ロシア側は今回の首脳会談を前に、中国向けガス価格を6年ぶりの低水準となる14%引き下げ、1,000立方メートル当たり223.90ドル(約3万5,600円)に設定した。
一方、業界関係者によれば、欧州の顧客は1,000立方メートル当たり350ドル(約5万5,600円)を支払っているとされるが、詳細な価格は明らかにされていない。
米ピーターソン国際経済研究所のロシア専門家エリナ・リバコワ氏は「西側との断絶によって、ロシアは中国の従属国となった」と述べたとディー・ターゲスツァイトゥン紙は報じた。
現在、欧州連合(EU)でロシア産天然ガスをパイプライン経由で輸入しているのはハンガリーとスロバキアのみとなっている。
これもEUによる第20次対ロシア制裁により、来年9月30日までに全面停止される予定で、ロシアにとって代替販路の確保は急務となっている。
プーチン政権が建設過程で10億ドル(約1,589億6,000万円)規模の損失が生じるとの警告にもかかわらず「シベリアの力2」の建設を強く求める背景にはこうした事情がある。
ディー・ターゲスツァイトゥン紙によると「シベリアの力2」建設に関する覚書は2006年3月のプーチン大統領の中国訪問時に、ガスプロムのアレクセイ・ミレルCEOと中国石油天然気集団(CNPC)の当時のCEOが署名したが、現在まで着工には至っていないという。















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