「ロシア原油を買えば輸出品が倍の値段に」米国、中国・インドへ“100%関税”の荒療治
事実上、中国とインドを狙った措置
故リンゼー・グラム上院議員が推進した法案、トランプ大統領の支持で成立に期待
中国外務省「違法で一方的な制裁に断固反対」

米上院は、ロシア産エネルギーの主要輸入国から米国に輸入される製品に最大100%の関税を課す対ロシア制裁法案の成立を目指している。
米国のドナルド・トランプ大統領が支持を表明したことで、法案が成立する可能性が注目される。
一部の海外メディアによると、米上院議員らは14日(現地時間)、先ごろ死去した米共和党の故リンゼー・グラム上院議員が推進してきた対ロシア制裁法案の修正案を公表した。修正案には、ロシア産原油と天然ガスをそれぞれ最も多く輸入する上位5か国から米国に入る製品に、最大100%の関税を課す権限を大統領に付与する内容が盛り込まれた。
■ロシア産原油の最大輸入国は中国、2位はインド
米共和党の故グラム上院議員と米民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員が2025年、超党派で提出した当初の制裁法案は、ロシア産エネルギーを輸入する国全般からの製品に最大500%の関税を課せる内容だった。修正案では関税率を引き下げるとともに、対象を輸入上位国に絞る形へ修正された。
修正案は、最終的な関税率を米通商代表部(USTR)が決定できる仕組みとしたほか、大統領が米国の国益にかなうと判断した場合には、制裁の適用を猶予できる裁量権も認めている。
ロシア産原油の輸入上位5か国は、中国、インド、スロバキア、ハンガリー、アゼルバイジャンだ。
ロシア産天然ガスの輸入上位5か国は、中国、フランス、日本、ハンガリー、ベルギーとなる。
ただし、ロシア産天然ガスの輸入量がロシアの天然ガス輸出全体の15%未満で、輸入削減に向けた実質的な取り組みを進めている国には、例外を適用できる。このため、日本、フランス、ハンガリー、ベルギーは制裁対象から除外される可能性があるとの見通しが示された。
事実上、中国とインドを狙った措置といえる。
米上院では、この法案が成立すればロシアへの経済的圧力を強め、4年を超えて続くウクライナ戦争の終結につなげられるとの見方だ。
■米中貿易摩擦が再燃する可能性も
関税措置が実際に発動されれば、米中貿易摩擦が再燃しかねない。
米国と中国は、トランプ政権による高関税措置を巡って対立を続けてきたが、2025年に韓国・釜山(プサン)で開かれた首脳会談を機に、貿易休戦に入った。
中国は、レアアースなど重要鉱物の輸出規制を交渉材料として活用してきた。2026年9月にワシントンで予定されるトランプ大統領と中国の習近平国家主席の会談でも、貿易問題が議論される見込みだ。
ただし、法案が成立したからといって、直ちに関税が発動されるわけではない。
法案は大統領に関税を課す権限を付与する一方、幅広い裁量も認めているため、実際に関税を発動するかどうかや、その水準はトランプ大統領の判断に委ねられる。
海外メディアは、上院本会議の採決日程はまだ決まっていないものの、法案が成立する可能性はこれまでになく高まっているとみている。
故グラム上院議員の死去後、上院では本会議への上程を求める声が強まっており、トランプ大統領も支持を表明したことが背景にあるためだ。
トランプ大統領は14日、記者団に対し、「これはリンゼーをたたえるためのものだ。彼が最も重視し、何よりも実現を望んでいたことでもある」と語った。
これに対し、中国政府は違法で一方的な制裁だとして、強い不満を示している。
中国外務省の林剣報道官は15日の定例記者会見で、米国が進める制裁法案への立場を問われ、「国際法上の根拠がなく、国連安全保障理事会の承認も受けていない違法で一方的な制裁に断固反対する」と述べた。
さらに「中国企業と国民の正当な権利と利益を守るため、必要なあらゆる措置を講じる」と表明し、「二重基準を振りかざして威圧と圧力を加えれば、結局は自らに跳ね返ってくるだけだ」と批判した。















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