「未来に賭けすぎた代償」…テスラ決算で露呈した“深刻な異変”

第2四半期、現金収支がマイナス転換

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が率いるテスラで、人工知能(AI)への投資に伴う現金流出が拡大し、利益も市場予想を下回ったことが明らかになった。株価は急落している。今年の量産開始を予告していた新製品や人型ロボット「オプティマス」に関する記述も見当たらず、投資家の不安が高まっている。

テスラは22日(現地時間)、第1四半期の売上高が282億4,000万ドル(約4兆6,000億円)だったと発表した。ブルームバーグがまとめた市場予想の263億2,000万ドル(約4兆2,900億円)を上回った。

一方、利益は市場予想に届かなかった。調整後1株当たり利益(EPS)は0.33ドル(約54円)で、市場予想の0.50ドル(約82円)を下回った。テスラ株は通常取引で1.30%下落し、時間外取引では4.45%急落している。

第1四半期には10億9,000万ドル(約1,777億3,000万円)の現金が流出し、フリーキャッシュフローは2年余りぶりにマイナスへ転じた。電気自動車(EV)中心の事業構造から脱却するため、AIやロボット分野に大規模な投資を進めた影響だ。

マスクCEOは、今年の投資額を前年の85億3,000万ドル(約1兆3,900億円)の約3倍となる250億ドル(約4兆800億円)に引き上げる方針を示していた。しかし、実際の投資額は計画を下回る可能性がある。テスラによると、第1四半期の設備投資額は58億ドル(約9,500億円)だった。市場予想の62億ドル(約1兆100億円)を下回った。現在のペースが続いた場合、通年の投資額は約170億ドル(約2兆7,700億円)にとどまり、当初示した金額を大幅に下回る見通しだ。フランクリン・テンプルトンのAI・デジタル資産ソリューション責任者、マックス・ゴクマン氏は「テスラはAIへの投資を増やすべき数少ない企業の一つであるにもかかわらず、AI投資が少ないのは不可解だ」と指摘した。

テスラは、主力の自動車事業に代わる成長分野として、AIを活用した自動運転技術やロボット技術に期待を寄せている。しかし、事業構造の転換が計画通りに進んでいないのではないかとの懸念も出ている。インベスティング・ドットコムの首席アナリスト、トーマス・モンテイロ氏は、現金流出が拡大すれば、現在の設備投資ペースを維持することが難しくなる可能性があると指摘した。モンテイロ氏は「テスラ株の評価の大部分が将来価値に基づいていることを考えれば、全ての設備投資は1年前よりもはるかに厳しく評価されるだろう」と述べた。

こうした中、新製品の量産計画が株主向け書簡から消えたことで、投資家の懸念はさらに強まっている。テッククランチは、同日公開された第1四半期の株主向け書簡を引用し、サイバーキャブ、テスラ・セミ、商用エネルギー貯蔵システム「メガパック3」の年内量産計画が記載されていなかったと報じた。人型ロボット「オプティマス」の量産に関する記述も削除されていたという。テスラは同日、サイバーキャブとテスラ・セミの量産開始に向け、バッテリーの生産量を増やす取り組みを進めていると説明した。一方、メガパックの量産を延期した理由や、オプティマスの生産に支障が生じているかどうかについては言及しなかった。

テッククランチによると、テスラは書簡で、今年初めに米テキサス州オースティン工場でサイバーキャブの生産を開始した一方、テスラ・セミとオプティマスの生産ラインは現在も構築段階にあると説明した。テスラは今年1月時点では、サイバーキャブ、テスラ・セミ、メガパック3の量産を年内に開始する方針を示していた。

太恵須三郷
太恵須三郷

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