
米国とイスラエル、イランを巡る軍事的緊張が続く中、高市早苗首相がアジア、中東、欧州の各国と活発な首脳外交を展開している。
これまで築いてきた各国との関係を生かし、独自外交を進めながら存在感を高める狙いがあるとみられる。
20日付の時事通信によると、高市首相は今月15日に開かれた「アジア・ゼロエミッション共同体プラス」(AZEC+)のオンライン首脳会議に出席し、アジア各国の首脳らと中東情勢に伴うエネルギー危機への対応や協力強化策を協議した。
会議には9つのAZEC参加国に加え、韓国を含む5つのプラス国と国際機関が参加した。
高市首相はこの会議で、各国の原油調達を下支えするため、総額約100億ドル(約1兆5,900億円)の金融支援を表明した。
今回の支援では、原油・石油製品の調達を金融面から後押しする一方、中長期的には備蓄システムや関連インフラの整備、液化天然ガス(LNG)やバイオ燃料での協力を通じて、アジアの供給網を強化する方針も示した。
アジアは、電子機器や自動車部品など幅広い製品の生産を担う供給網の中核を成している。
とりわけ東南アジアは供給網の重要拠点であるだけでなく、医療用途にも使われる石油関連製品などの主要供給源でもある。今回の支援は、そうした経済基盤の強化にもつながると受け止められている。
この構想には、中国とロシアの影響力拡大をけん制する思惑ものぞく。
時事通信は、米国が対イラン対応で中東への関与を強める間、中国はエネルギー協力への意欲を前面に押し出し、ロシアも「オイル外交」で接近を始めたと伝えた。日本企業約1万社が進出するこの地域が中国やロシアとの関係を深めれば、安全保障と貿易の両面で不利益を受けかねないとの警戒感が強まっているという。
一方、高市首相は各国首脳との電話会談や対面協議も重ねている。
先月はマーシャル諸島、マレーシア、フィリピン、インドネシアの首脳と協議し、今月に入ってからもフランス、アラブ首長国連邦(UAE)、ベトナム、オマーン、ポーランドの首脳と意見を交わした。
今月8日にはイランのマスード・ペゼシュキアン大統領と、13日には仲介国パキスタンのシェバズ・シャリフ首相とそれぞれ電話で会談し、事態の早期沈静化を促している。
時事通信は、米国のドナルド・トランプ大統領から先月のワシントン会談で一定の役割を求められたことも、こうした積極外交の背景にあると解説した。国際情勢が緊迫する中、これまで以上に踏み込んだ役割を担うよう求める声も少なくないと伝えている。













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