
米国防総省が、イラン戦争によって中国が大きな地政学的利益を得ているとの評価を下したとされる。ドナルド・トランプ大統領が中国を訪問する中、米国防総省内では、米国の対イラン軍事作戦がもたらした地政学的コストへの懸念が出ている。
ワシントン・ポスト(WP)によると、米統合参謀本部の情報部門は、中国がイラン戦争を利用し、外交、軍事、経済などの分野で米国に対する優位性を高めているとする報告書を、米統合参謀本部のダン・ケイン議長に最近提出した。報告書は、トランプ大統領の訪中直前に提出されたという。
報告書によると、中国は2月28日の開戦以降、イランのミサイルやドローン攻撃への対応に苦慮する湾岸諸国に武器を販売した。また、中国は米国の軍事作戦の進め方を詳しく観察し、中国軍の作戦計画に反映させる機会も得た。
報告書は、米国の弾薬在庫の消耗により、台湾問題をめぐる中国への抑止力が弱まったことも認めている。特にパトリオット防空システム、高高度防衛ミサイル(THAAD)、トマホーク巡航ミサイルの在庫減少が目立っており、中国が台湾を攻撃した場合に米国が介入できるのか、日本、韓国、台湾の間で懸念が出ている。
報告書によると、ホルムズ海峡の封鎖による中国への影響は限定的で、中国はタイやフィリピン、オーストラリアなどを支援した。米国がイランの海上交通を封鎖すれば、イラン産原油を大量に輸入する中国にも影響が及ぶとの従来の見方とは異なる分析だ。
ブルッキングス研究所の中国部門研究員、ライアン・ハス氏は「中国は米国に次いで、エネルギー危機に最も強い国だ」と述べた。そのうえで、「中国は航空燃料不足に苦しむ国に石油製品へのアクセスを提供するなど、解決役を担おうとしている」と指摘した。中国がイラン戦争を地政学的な機会とし、米国と友好国の間に亀裂を生じさせているという見方だ。
イラン戦争は、中国が「責任ある大国は米国ではなく中国だ」とする主張を強める材料にもなっている。中国国内の人権問題や強圧的な行動などから、国際社会の目をそらす機会にもなったとの評価もある。
新アメリカ安全保障センター(CNAS)の上級研究員、ジェイコブ・ストークス氏は「総合的に見れば、イラン戦争は中国の地政学的立場を大きく改善させている」と分析した。
さらに「中国は、米国が中東戦争に巻き込まれ続ける姿を通じて、米国を衰退しつつある一方主義的な国として描く機会を得ている」と評価した。













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