
英国の投資遅れで足並みの乱れが表面化していた日本・英国・イタリアのグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)が、ひとまず危機を脱した。英国が数十億ポンド規模の資金を投じる方針を固めたことで、次世代ステルス戦闘機の開発にも弾みがつく見通しとなった。
フィナンシャル・タイムズ(FT)は18日、英国が日本、イタリアと共同開発している次世代ステルス戦闘機事業に、60億ポンド(約1兆2,800億円)規模の資金を投入する準備を進めていると報じた。
これにより、3か国はGCAPの設計と開発を包括する複数年契約を企業側と締結できるようになる。事業に参加する企業は、英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルド、三菱重工業と日本航空宇宙工業会(SJAC)が共同出資した日本航空機産業振興(JAIEC)の3社となっている。3月に発表された短期資金支援は、来月末に期限を迎える。
GCAPは、日本・英国・イタリアの3か国が2035年までに第6世代ステルス戦闘機を実戦配備することを目指す多国籍防衛事業だ。米国が握る軍事技術面での優位に対抗しようとする3か国の戦略的な意図も込められている。産業界との長期契約は昨年末に結ばれる予定だったが、英国の10年間の軍事戦略である防衛投資計画の発表が繰り返し遅れ、契約も先送りされてきた。
事業の頓挫を懸念した日本は最近、英国への警戒感を強めていた。英国のイベット・クーパー外相が訪日した際にも、この問題が提起されたとみられる。
FTは日本側の関係者の話として、日本の小泉進次郎防衛相が会談で異例ともいえる強い姿勢を示し、英国は追加の短期契約ではなく、完全な長期契約を遅滞なく結ぶべきだと明確に伝えたと報じた。来月に予定されている高市早苗総理の英国訪問についても、英国のキア・スターマー首相を取り巻く不安定な政治状況を受け、中止される可能性が指摘されている。
事業に投入されている人員の規模も大きい。英国だけでも4,000人以上が同事業と試作機の開発に携わっている。GCAPが失敗した場合、日本と英国の関係だけでなく、インド太平洋地域における戦略的な立場にも打撃が及びかねない。一方で、3か国が持つ高度な航空産業技術を土台とした潜在力は大きく、ドイツ、サウジアラビア、インド、ポーランドなどが参加に意欲を示しており、依然として有望な事業との評価もある。
















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