ベントレーよりファーウェイ…消費財もAI一色、ペット・介護ロボット普及で家庭進出本格化

「シャオクー、北欧風に家をデザインして」
住所を入力し、自宅に合った図面を選択した後、こう声をかけると、わずか1~2分でロボットが持つ大型ディスプレイに3D図面が生成される。白いソファやウッド調の壁紙といった主要要素から、ポスターや観葉植物などの細部に至るまで、人工知能(AI)が自動で再現する。視点を切り替えて床や天井を確認できるほか、家具の配置も自由に変更できる。気に入らなければ「フランスのヴィンテージ風に変更」と指示するだけで、約30秒で画面が切り替わる。
これは、DeepSeekやUnitreeとともに「杭州六小龍」と呼ばれる3D空間設計企業Manycore(群核科技)が開発した「Kujiale AI Designer」だ。従来は手動での介入が多かったが、AIが草案を作成し人間が修正する方式へと変わり、効率性が大幅に向上した。ヒューマノイドロボットと連動し、音声操作が可能な点も特徴で、インテリア展示場などで高い需要が見込まれている。関係者は「従来は数時間かかっていた作業を3分以内に短縮できた」と説明する。
ランボルギーニよりロボット…生活に浸透する中国技術

中国・海南省海口では13日から5日間、「第6回中国国際消費財博覧会」が開催されている。消費財といえば酒類や高級アクセサリーが思い浮かぶが、会場で最も注目を集めたのはロボットをはじめとする先端技術製品だった。ベントレーやランボルギーニのブースが比較的落ち着いた様子だったのに対し、ファーウェイのブースは来場者であふれ、China MobileやUnitreeのヒューマノイド・四足歩行ロボットは通路中央でパフォーマンスを披露し、観客の歓声を集めた。
特に注目されたのは、パフォーマンス用途ではなく、実生活に活用できるロボットだ。中国最大の石油化学企業Sinopecは給油ロボットを展示。燃料タンクの確認から給油完了までを約2分で行い、人による作業と比べて30%以上の効率向上を実現している。すでに北京や海南など7地域で試験運用が進められている。
約22万円の会話ロボット…家庭市場へ拡大

少子高齢化を背景に、家庭向けロボットも存在感を増している。中国初のヒューマノイド上場企業UBTECHをはじめ、多くの企業がペットロボットを披露した。アリババ淘天グループのブースでは、アザラシ型ロボット「Ropet」が展示され、来場者の関心を集めた。撫でると両腕を動かして喜び、ハートのジェスチャーに反応して目の表情が変わるなど、遊び心のある動作が特徴だ。ただし認識精度には課題もあり、同じ動作を何度か繰り返す必要があった。関係者は「まだ改善の余地がある」と話す。
江蘇省蘇州のJoyinは、小型犬サイズ(約3.3kg)のヒューマノイドロボットを披露した。高齢者と簡単な会話ができるほか、自発的に話しかける機能も備える。さらに長時間動きがない場合などには異常を検知し、家族へ通知する機能も搭載している。価格は約1万元(約23万2,900円)前後とされ、家庭用としても現実的な水準だ。

浙江省の医療ロボット企業は、心理相談ロボットや血圧測定ロボットを展示した。心理相談ロボットは表情を分析して感情状態を把握し、デジタルヒューマンとビデオ通話形式で相談が可能だ。価格は約2万元(約46万5,800円)程度で、主な顧客は学校の相談室などだ。必要に応じて専門家につなぐ役割を担うという。
「完璧より普及」中国の戦略

今回の展示からは、米国のように技術的な完成度を追求するよりも、実用化と普及を優先する中国の戦略が浮き彫りとなった。ロボットを「家電の一種」として位置づける考え方が広がっている。ファーウェイは報告書「Intelligent World 2035」で、2035年までに中国の家庭の90%がAIロボットを利用し、価格も約1万ドル(約158万8,000円)程度まで低下すると予測している。実際、会場ではペットロボットなどをその場で購入する来場者の姿も見られた。
また、中国特有の産業クラスター戦略も目立った。浙江省や広東省に加え、広西、吉林、遼寧など各地から企業が参加。特に広西省は、柳州をロボット産業の中核拠点と位置づけ、100億元(約2,328億7,400万円)規模のAIファンドを設立するなど積極的な支援を行っている。企業は杭州や深圳に研究開発拠点を置きつつ、土地や人件費の安い柳州に生産拠点を設けることで効率的な分業体制を構築している。こうした動きは、中国のロボット産業の急速な拡大を象徴している。こうした分業体制は、中国で「珠江デルタ型クラスター」とも呼ばれる産業構造に近い。UBTECHも柳州に生産拠点を置いている。













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